当社は、2023年10月19日付で発刊した「宝塚GRAPH」2023年11月号(通巻918号、以下「本誌」といいます。)に掲載された、宝塚歌劇団宙組劇団員(以下「本劇団員」といいます。)のインタビュー記事(以下「本記事」といいます。)が、同年に急逝された宙組劇団員(以下「故人」といいます。)のご遺族の心情を著しく傷つけるものであり、故人・ご遺族を冒とくするものであったことにつき、代理人を通じてご遺族に謝罪いたしましたので、その旨ご報告申し上げます。
本記事では、本劇団員による発言として「ヘアアイロンを持って行こうかな」「絆創膏など、欲しくなるかもしれないものがたくさん入っています(笑)」との記載がありました。かかる記載は、故人がヘアアイロンにより火傷を負った件を想起させるものであり、かつかかる事実を茶化していると捉えられるものでした。本劇団員がインタビューの中で「ヘアアイロン(コテ)」や「絆創膏」に言及したことは、故人がヘアアイロンにより火傷を負ったことや、これに関する週刊誌報道等により多大な心理的負荷を受けたことを軽視するものであったと考えております。また、本記事は、仮に故人が目にすることがあれば、故人を深く傷つけたであろうものです。当社が本記事を作成する中で、本劇団員の様々な発言の中から「ヘアアイロン(コテ)」や「絆創膏」を抽出し、また「(笑)」と記載して掲載したことは、ご遺族の心情を著しく傷つけるものでした。発刊のタイミングに関わらず、当社が、本記事を本誌に掲載したこと自体も、ご遺族の心情を著しく傷つけるものでした。
本インタビュー自体は故人が急逝する前に実施されましたが、本誌は故人の急逝後間もない頃に校了及び発刊されたことからすれば、当社としては校了前に本記事を訂正するか、訂正が間に合わなければ発刊そのものを中止する等の対応を採るべきでした。にもかかわらず、これらの点に思いが至らず、当社が漫然と本記事を含む本誌を発刊したことは、故人がヘアアイロンにより火傷を負ったことや、これに関する週刊誌報道等により多大な心理的負荷を受けたことを軽視する態度であり、また故人を悼む気持ちを持っていない行為であり、故人・ご遺族を冒とくするものでした。
以上を踏まえ、当社は代理人を通じ、ご遺族に対して本記事について正式に謝罪いたしました。
なお、本記事作成の経緯は以下のとおりです。
当社の担当部門において、本劇団員に対するインタビューを実施しました。
インタビューは、担当部門が事前に準備した質問に対して本劇団員が回答する形で行いました。
本劇団員は、インタビューにおいて、「稽古に出発する際の荷物は最低限か、それとも大荷物か」との質問を受けたことに対して、「大荷物」だと回答し、それに続けて全国ツアーを経験したことで、予備の荷物を持って行かないといけないと考えるようになったという話を行う中で、「色々ハプニング想定して、雨だからカールが取れるかもとなったらコテを持って行かないといけないし」と発言し、また、しばらく会話が続いた後に、心配性で多く持って行くということなのかと質問されたことに対し「汗かいた(場合に備えて)着替えをたくさん持って行くとか、あとは、絆創膏とか」と発言し笑いました。その他にもメイク道具を持って行く等の発言もありました。
その後、2023年10月2日までの間に、担当部門が当該インタビューの内容を記事にしたうえで(なお、その際には、担当部門の判断で、本劇団員の発言の中の「コテ」を「ヘアアイロン」と表現しました。)、担当部門内で確認を行いました(なお、同種の記事においては劇団員による原稿チェックは通常行われておらず、本記事についても、本劇団員による原稿チェックは行われませんでした。)。
今後は、このような事態を二度と生じさせることのないよう、記事制作等に当たっては一層の留意を徹底していく所存です。
※2024年3月28日に掲載した内容を、2024年4月5日付で一部変更しています。