白昼の稲妻(東京・千秋楽)
番組名:白昼の稲妻(東京・千秋楽) | |
ヴィヴィアンヌの復讐 | 投稿者:ゆめみ |
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この「白昼の稲妻」と現在上演中の「バレンシアの熱い花」、ともに柴田先生の演出ですが、この二作品をあわせみたとき、何か考えさせられましたね。 「白昼・・・」のヴィヴィアンヌ、「バレンシア・・・」のフェルナンド、ともに家族を殺され、その仇を討つという決意を秘めている、そこまでは似ていますが、フェルナンドはその初心通り、仇討ちを果たし、一方、ヴィヴィアンヌは恋人の忠告により、「仇を殺す」という意味での仇討ちは諦めます。このことだけを見たならば、「目的」を果たせたのはフェルナンドで、ヴィヴィアンヌは「目的」を果たせなかったことになります。でも、幕が降りた時、どちらがより幸せになれたかを考えたならば、全く逆の結論が導き出されるように思うのです。 「バレンシアの熱い花」先月、大劇場で観てきました。復讐は果たせたはずなのに、あのラストシーンには、何かむなしくて、やりきれませんでした。 それに対し、「白昼の稲妻」の、恋人との幸せそうなラストシーン。 何かで、「自分を不幸にした者への最大の復讐は、自分が幸せになること」というのを聞いたことがあります。まさに、ヴィヴィアンヌがその通りでしたよね。 |
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2007月08月22日 |