第5回 2005年9月29日
担当・緑衣のオニイ「あるひとりごと」
いつだったか…演出の谷先生が、舞台演劇を指して「刹那芸術」と表現されているのを拝見してドキリとしたことがあります。
確かに舞台作品というものは、物理的にはその時その時の時間の流れの中で、その都度消えてゆきます。それなのに私たちのしている「舞台作品の映像化」とは……時間の流れを強引に止めて固定化するというファウスト博士もびっくりな所業なのではないか??
勿論、舞台を御覧になった皆さんの心の中には、その思い出がさまざまな形で記憶の中に残ることでしょう。そう、それは正にさまざまな形で、であって決して一定の形であるわけがないのです。嗚呼それなのに私たちのしていることは……!?
------------------と、ふと自分たちの仕事の重大さに押しつぶされそうになることがあります。でも、それに負けるわけにはまいりません。お一人でも多くの方に喜んで頂けるよう……「客席で観た時の感動が蘇った」「実際の舞台は観られなかったけど映像での観劇も楽しめた」……そんな嬉しい声を頂けるよう、生の舞台で出演者と観客がかもし出すホットな空気感までもお伝えしたいと、スタッフ一同励んでいます。

――――――――時よとまれ、お前は美しい。(ゲーテ「ファウスト」より)


第4回 2005年9月15日
担当・紫子「9月は長月というけれど」
みなさま、こんにちは。
最近とみに時間のたつのが早く・・・9月も早半ばにさしかかりました。
事始めからやっと2回目の登場です。
その間多くの担当任務があり、少し時間をさかのぼりますが、お付き合いください。

まず、先月8月の花組博多座公演。今回は24日の千秋楽の15時半公演をタカラヅカ・スカイ・ステージ放送用に本番収録しました。カメラ4台をフルに駆使し、マラケシュの世界に挑んでみました。脚本の変更により舞台も新ヴァージョンですし、映像の方も、宝塚のビデオ版、東京のタカラヅカ・スカイ・ステージ版とはまた違う趣きに仕上がりましたので、今後の放送をお楽しみに。
また、ショーの方はアドリブと弾ける熱気が満載で、アドリブの決め言葉はとにかく“博多”。ちなみに前の11時公演ではとにかく“明太子”。どちらも客席で大うけの様子でした。
さらに特筆すべきは、アンコールが格別に盛り上がり、博多座再登場の花組出演者とお客様の温かなつながりを感じ、とても印象的な千秋楽でした。

次に、9月2日、宙組大劇場公演「炎にくちづけを/ネオ・ヴォヤージュ」のビデオ収録がありました。現在当社の通常のビデオ収録は、舞台稽古の下見、公演期間の約1ヶ月前後の月曜日に技術スタッフの下見、木曜日の15時公演をカメラリハーサル、金曜日を本番収録という収録パターンで行っています。
今回は9月1日のレビュー記念日をリハーサル日に設定し、6台のカメラで映像の完成度を高く、より美しい画質でDVDの特典映像として挿入します。その映像については、いち早くタカラヅカ・スカイ・ステージの3周年記念特別番組の生放送でご覧頂いた方もいらっしゃるかと思いますが、改めてお楽しみに。

そして現在、私の頭の中は、春野寿美礼イン・コンサート「I GOT MUSIC」の収録に向けていっぱいです。東京の千秋楽、9月21日をビデオ収録日にしましたので、その特別できっと最高の盛り上がりとなる様子をビデオ、DVDでお届けします。
今回の特典映像ですが、稽古風景を中心としたメイキング映像と、21日当日の春野寿美礼の様子、会場入りから舞台裏、会場を出るまでを追っかけ取材したダイジェスト映像を挿入する予定です。
舞台映像も特典映像も、片時も目がはなせないような魅力満載な内容に仕上げますので、どうぞご期待ください!!


第3回 2005年9月12日
担当・緑衣のオニイ「ジャケット雑感」
雪組公演『霧のミラノ/ワンダーランド』のライブビデオ・CD・DVD(CDは『ワンダーランド』のみ)が9月に発売になりますが、今回はビデオのジャケットが特に綺麗に仕上がったのではないかと…手前味噌ではありますが思っています。
全身を入れたサイズの写真を使用している為、もしかしたら店頭に並んだ時のインパクトには欠けるのかも、という危惧はありますが、作品世界の雰囲気と朝海ひかるのすっきりとしたスマートさはアピール出来たのではないでしょうか?皆様どうお感じになるか、是非一度、店頭でお手に取ってご確認下さい。
話は変わりますが、演出の小池先生が作品を手掛けられる際に、「初めて宝塚を御覧になる方にも楽しんで頂けるか、ということを心掛けている」と発言されているのを何かで読んだ覚えがあります。
私たちの仕事の場合も、もちろん宝塚を愛して下さる方に楽しんで頂けるものを…という大前提をクリアーした上での話ではありますが、例えば宝塚に何の予備知識もお持ちでない方が、たまたまDVDショップで当社商品を手に取られ、 「ふーん、宝塚かあ…俺には縁がないなあ。ウチにあるDVDって言ったら格闘技か『猿の惑星』くらいだもんなあ。『霧のミラノ』って…ああイタリアものね。この時代って結構好きなんだ俺。そうか2本立てか…なんか面白そう。よし、ものは試しだ、いっぺん買ってみよっと」 …と、レジに走って下さるようなことがあれば嬉しいなあ、などと夢想しつつ制作に携わっています。


第2回 2005年8月30日
担当・緑衣のオニイ「ビデオ&DVD『霧のミラノ/ワンダーランド』制作快調!」
今回雪組公演の映像収録で、「霧のミラノ」と「ワンダーランド」のそれぞれを担当した収録ディレクター、MSさんとMSさん(同じイニシャルです)は共に大ベテラン。お二人の年令を足すと130歳ぐらいですが(大きなお世話と言われるか)、体力的にも感覚的にもお若くパワフルで30代のワタシも顔負けです。
さて話は変わりますが、当社の商品を紹介した“TCA PRESS”という広告で、大劇場公演のビデオ&DVDの紹介欄に、主要登場人物のセリフを一言ずつ掲載させて頂いているのをご存知でしょうか?
あのセリフは各商品の制作担当者が選んだものなのですが、今回の「霧のミラノ」は、さすがに名匠・柴田先生の脚本だけあって、嬉しい悲鳴が出るほど美味しいセリフが多く、苦労しつつも楽しんで選ぶことが出来ました(フランチェスカについては、演じる舞風りらが公演プログラムのコメントで触れていたものをそのまま流用させて貰いましたが)。一度そのあたりにもお気を留めて頂けたらと思います。
今回は劇中で使用している外国曲の著作権も全てクリアー出来ましたので、ノーカットで発売させて頂けることが既に決定しております。どうぞお楽しみに!
ところで「ワンダーランド」の中詰で貴城さん歌う「威風堂々」という曲は、アニメ「あたしンち」のエンディングテーマでも使われていましたね(……それで?)。


第1回 2005年8月23日
担当・緑衣のオニイ「戦うタカラジェンヌ」
8月にスカイステージで放送される雪組バウホール公演「さすらいの果てに」。正にこれぞタカラヅカというべき内容の作品ですが、映像制作サイドとしても色々な意味で大変魅力のある作品でした。
特に注目して頂きたいのは立ち回りシーン。鬼気迫る表情で戦う登場人物たち!この動きも押さえたい、嗚呼この表情は是非寄りで見せたい!と編集時に乗りに乗ってしまいまして、個人的に尊敬する映画監督へのオマージュを込めたスピーディーな(…と自分では思っております)仕上がりになったと自負しています。その"戦いぶり"にも個性が表れた壮一帆主演&音月桂主演、両バージョンともお見逃しなく。
…などと書くと、まだ御覧になっていない方の誤解を招きそうですが、もちろん全編格闘に次ぐ格闘という訳ではなく、物語の根幹をなすのはあくまでも愛であり友情でありますので、ご安心下さい…!!!
ところで、この作品のあるシーンで掲示されている戦死者公報の中に「チャック・ノリス」という名前が見られます。これって「ドラゴンへの道」という映画でブルース・リーと共演した俳優の名前ですが……偶然の一致……でしょうね。


担当・紫子 「紫子のコラム事始め」 
HPをご覧の皆様方、初めまして。
私は、ビデオやDVDの制作を担当しているプロデューサーの一人、イニシャルはMですが、ここでは通称を「紫子(ゆかりこ)」と申すことにいたします。かなり以前の話ですが、宝塚で「紫子」という木原敏江さんの舞台が上演されたこともありましたね。
これから、宝塚で過ごす私の日常や収録こぼれ話、担当作品のツボなど、随時思い思いに書き綴って参りますので、よろしくお付き合い下さい。
さて、現在の私の担当ですが、宙組大劇場公演「炎にくちづけを/ネオ・ヴォヤージュ」と、春野寿美礼 イン・コンサート「I GOT MUISC」が、二大メイン業務となっています。それぞれ収録日に向けての準備や、その他の作業としては使用楽曲の著作権処理、印刷物に掲載する内容の取りまとめ、DVDのメニュー構成を考える・・・などの細々としたデスク作業が目白押しです。収録以外に私たちがどのような仕事を行っているかは、皆さんなかなか想像しにくいのではないでしょうか。
また、来週は暑い南方の地である博多座で、花組公演「マラケシュ・紅の墓標/エンター・ザ・レビュー」のCS放送用の千秋楽収録を行います。この二作品とのお付き合いは、3月の大劇場公演よりCS用の初日・千秋楽の記録収録、ビデオ用収録、東京公演の初日・千秋楽CS用収録を経て、この博多座公演の初日・千秋楽収録まで続いています。現在のTCAは、同じプロデューサーが一括して同じ作品を担当することで、作品への理解をより深めていく方針です。
ですので、今回はいつにもまして長期に亘り、まさに歌ってセリフを暗唱できるくらい、この作品を見続けてきたことになります。
次回は、そんな博多座公演の千秋楽こぼれ話などを書いてみたいと思いますので、どうぞお楽しみに。


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