第15回 2006年5月16日
担当・緑衣のオニイ「光の玉手箱!」

和央ようか退団記念DVD現在、「和央ようか退団記念DVD」の制作を進めています。
このDVDの大きな柱の一つといえる、初舞台から退団に至るまでの映像ダイジェストがまもなく仕上がります。
何回制作を担当しても、このダイジェスト作りは強烈なプレッシャーとの戦いです。退団する生徒のことを愛してやまないファンの皆様にとっての、一生の宝物にしていただかねばならない・・・。そんな一大使命を背負い、何百時間かの映像素材を厳選していきます。
そんな作業は、華やかな映像を見続けることにとどまらず、一人の人間の歩みを数日間で一気に追体験するような、濃密な時間旅行のような感覚を味わいます。
彼女たちは、我々凡人とはかけ離れた時間を過ごしてきた人たちです。悔しかったことの悔しさも、つらかったことのつらさもハンパではなかったと想像されるのです。
しかし舞台の上ではそんなことはおくびにも出さず、常に様々な光を放ち続けてきました。私の仕事はそんな、抱えきれないほどの光を凝縮して皆さんの心の中にお届けすることです。とは言いながらも、膨大な映像素材を見つつ、「この時期は悩んでたんだろうなあ」とか「すンごい努力したんだろうなあ」といった舞台の裏側のことに、思いを致さずにはいられません……。
何やら今回は柄にもない文章ですが、ここで唐突にひとつだけ和央ようかファンの皆様にお詫び。
このDVDを制作することは、当然のごとく“仕事”であります。ですから私情は一切はさんでおりません。
・・・と言わねばならないところですが、ただ1シーン、「TCAスペシャル2000/KING OF REVUE」だけは、個人的に好きで好きでたまらない場面を入れてしまいました。どんな場面かは見てのお楽しみ!



第14回 2006年5月8日
担当・緑衣のオニイ「オスカルを見守るアンドレを見つめるDVD」

担当のKプロデューサーに半ば立候補するような形で、雪組公演「ベルサイユのばら」のアンドレ役替わりDVD制作をお手伝いさせて頂きました。
昭和50年に榛名由梨さん・安奈淳さん主演の花組公演版で初めてこの作品に出会って以来、仕事をするようになってからも含めて何十回、何百回観たことになるか判りませんが、未だに新しい感動・新しい発見があります。
例えば“第2部・第3場 オスカルの居間”で、アンドレがオスカルに対して長年秘めていた胸のうちを吐露するシーン。流れているBGMは、名曲「ばらベルサイユ」(作詞:植田紳爾/作曲:寺田瀧雄)のインストゥルメンタルです。
……などと講釈をたれておりますが、恥ずかしながら今までは、ついつい作品にのめり込むあまり(←仕事といふ意識はあるのか!)、特に音楽を意識してこの場面を観たことがなかった気がします。しかし今回、今更ながら「しみじみといい曲であるなあ…」との思いを新たにしました。なぜ今までそれに気付かなかったのだろうと不思議に思いますが、それだけごく自然に、さりげなく場面を盛り上げる素晴らしいBGMであったからに違いありません
DVDをお買い上げ下さった皆さんも、何度かご覧頂くうちの一度で結構ですから、是非耳を澄ませてみて下さい。まるでアンドレのテーマ曲であるかのようにお感じになることでしょう。
さて、この一連の役替わりDVDでは、可能な限りカメラはアンドレを追いかけています。練兵場で眼の痛みをこらえながら訓練を続けるアンドレ、ブイエ将軍と激しく口論するオスカルを橋の上から見守るアンドレ……。
そんな彼の姿を見続けていくうちにふと思いました。“男のやさしさ、男の包容力とは何か”を学びたい世の男性にこのDVDをオススメしたいものだと。そして、こちらは男女問わずですが、将来アンドレ役を演じる何らかの機会(どんな機会だ?)が訪れる可能性のある方には、恰好のガイドとしてオススメしたいものだと!!



第13回 2006年4月25日
担当・紫子「時は卯月、八重桜が見頃です・・・」

気がつけば桜が散り、新入社員のフレッシュな懸命さが目に眩しい時節となりました。お久しぶりの紫子です。星組「ベルサイユのばら」に関する業務がやっと全て終わり、おかげさまで全商品が無事に好評発売中です。特に、オスカル役替わりDVDはそれぞれお楽しみ頂いているようで、担当としてとても嬉しい限りです。
さて、今月の私の収録任務として、宝塚ホテルで行われるディナーショーの収録が2回あります。そこで今回は、既に18日に収録が済んだ蘭寿とむの「Sensation!」について、書いてみようと思います。まず、ディナーショーというのは、私自身宝塚のものを収録担当として現場に居合わせるという体験のみですが、やはり客席を満たす雰囲気が劇場とは独特に異なり、ドレスアップされたお客様がスターを見つめる特別に熱いまなざしや高揚感が、特に印象的です。
少し話題は変わりますが、ディナーでどういったお料理が出されているかというのは、興味がありませんか?ここで実際の18日のメニューをご紹介してみると、魚介類のゼリー寄せ・クリームフォール添え→鮮魚と海老のマリー・アントワネット風→牛フィレ肉のロティー・ストロガノフ風ソース→ホワイトチョコのムースと桜のゼリーとなっています。季節感プラス宝塚も意識されていて、読むだけでもとてもおいしそうな感じですね。
ではさらに、収録とステージ内容について書きます。現在、放送用のディナーショー収録は、1台のカメラで本番は1回というスタイルで行っています。今回は、後に放送される際に見て頂けるインタビュー映像で、蘭寿本人も語っていますが、ショーの出だしが意表をついた、ダークでシックなイメージです。その演出とカメラ位置との兼ね合いにより、映像的にも面白い絵が撮れました。また、途中激しめのダンスが展開され、男役らしくセクシーにポーズを決める蘭寿が随所に見られます。そして、ショー終盤には4人の出演者とさわやかな笑顔を交わし、格別の想いを込めて歌う姿がかなり目に焼きつきます。その他にも、18日当日に収録したコメントや会場の様子なども挿入される予定です。この「Sensation!」の放送は、今しばらくお楽しみにお待ちください。



第12回 2006年4月11日
担当・緑衣のオニイ「何回もご覧下さいますよう…」
今回は具体的な公演作品にまつわる話ではないのですが…。
先日、地上波初登場!ということで放送されたとある映画をテレビで再見しました。個人的にこの映画、劇場で観た時にはDVDを買おうかなと思ったぐらい感銘を受けた作品だったので、ワクワクしつつテレビの前に座ったのですが。
不思議なほど退屈。初見時には夢中で見入った映像も、ただ目まぐるしいだけに思える。
今までは一旦好きになった映画は10回でも20回でも観る方だったのですが…1回だけ観たら十分、という映画もあるんだなぁとしみじみ思いました。
で、当社のビデオやDVD。ふと“回数”のことが気になりました。お買い上げ下さったお客様は、何回ぐらい観て下さるのだろうか……1回観たら十分なんてお思いではないだろうか……2度と観たくなくなるような目まぐるしいだけのカット割りに堕していないだろうか……?? くだんの映画も他人事ではありません。もちろん、当社で制作している実況ビデオやDVDは、先に舞台作品ありきで成立するものですから、映画と同列に考えるのはどうかとも思いますが。
でも……もし宜しければ、お買い上げのビデオ・DVDの、ごらんになった回数にまつわるご感想などもお寄せ頂けましたら幸いです。「週に1回は観る生活が3年以上続いている」とか「何回目ぐらいで飽きた」とか。夢は「回数を重ねれば重ねるほど味わい深さを感じるスルメのような映像だ」と評して頂けるものを作ることですが……そういえば、10回20回観ても飽きない映画は、観る毎に新たな魅力の発見があり大変スルメ的なものです。


第11回 2006年3月7日
担当・緑衣のオニイ「私、祈ってます」
既に旧聞に属する話題ですが、昨年12月23・24日に宝塚大劇場で催された“歌劇「花の道より」400回記念チャリティ・スペシャル「花の道 夢の道 永遠(とわ)の道」”をビデオ・DVD収録しました(収録日は24日・15時の部)。
既に映像をご覧の方はご承知と思いますが、このイベントの第1部で、初めて音楽指揮に挑戦した小林公平宝塚音楽学校校長を撮影する為、今回はステージ上のオーケストラの中に、客席向きのカメラを1台設置しました。
ところが問題がひとつ…第2部以降でオーケストラの編成が変わり、カメラの設置スペースが確保出来なくなるため、1部が終わり次第すぐに撤収しなければならなかったのです。
2部が始まるまでの間、舞台上は緞帳が上がったままの状態で、譜面灯などの明かりはあるもののほぼ真っ暗。司会の檀れいさんがMCをされている間、演奏者の方々、そして楽器や椅子や譜面台が行き交う中、カメラとカメラマンも舞台を横切って退出してゆきます。当然、担当プロデューサーたる私は舞台袖でその様子を見守っている…かと思いきや、無責任とおっしゃるなかれ、中継車の中におりました!!
もちろん、撤収を補助して下さったカメラ・アシスタントの方も、そして私に代わって現場で立ち会ってくれた当社のYプロデューサーも皆プロフェッショナル、信頼出来る人たちです。しかし万が一……不測の事態により……舞台上を横切り中に取り返しのつかないことが起こったら(例えばどんなことかは恐ろしいので申しませんが)…と、身のやせ細る思いで中継車の中、成り行きを見守っておりました。
おかげさまで今回も無事完了しましたが(ビデオ・DVDともに好評発売中です!)、収録中は非力な私の立場ではひたすら無事を祈るしかなかった、というお話でした。


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