第10回 2006年2月1日
担当・紫子「ばら、バラ、薔薇・・・づくしの日々」
2006年も早2月に入りました。昨年よりコラムの更新が大幅に遅れてしまい、皆様のご記憶も薄くなっているかもしれません・・・。改めて、紫子と申します。今年1年も映像収録や商品制作の現場が伝わるコラムを書いていきたいと思いますので、よろしくお付き合いください。
さて、昨年12月から1月にかけては、本当に忙しい日々を過ごしていました。理由は、星組大劇場公演「ベルサイユのばら」の担当、これに尽きます。今回はまず、オスカル役の役替わり日程に関係して、年明け早々の1月3日に朝海オスカルでのビデオ・DVD用収録がありました。続いて、4名の特別出演者の役替わりDVD用の収録がありました。現在、水オスカルまでの収録が無事終了し、映像部分については、やっと3人分が完成したところです。あまりに次々と収録、映像編集、DVD検証作業ほか関連する諸業務が押し寄せる中で、もう舞台と映像を含めてどのくらい「ベルサイユのばら」を見ているかが分からないくらいの回数になっています。
私も今までに朝海、貴城、霧矢、水と4人のオスカルを見てきましたが、同じ役どころをこれだけ多くの人が演じる役替わりは珍しく、見比べる楽しさを毎回味わっています。そして、それぞれのオスカルをクローズアップ、出演シーンを全て網羅した舞台ダイジェスト映像(約40分)を柱として発売する役替わりDVDは、ほぼ同じカット割で同じシーンを見比べて楽しめますので、必見です。本人が真面目に熱く語り、演じる!?オリジナル・インタビューや、交代式登場と最終日の挨拶、公演ポスター撮影と3種類の特典映像も付いていますので、ぜひ5人のオスカルの競演をご覧頂きたいと思います。さらに、湖月、安蘭といったオスカル役と絡む人達の芝居の変化やニュアンスの違いも色々と見比べられる、一挙両得の映像です。
最後に、朝海オスカル版で発売するDVDの方も、特に別アングル映像をお楽しみにして頂ければと思います。ずっとオペラグラスで追っかけて見ているような臨場感あるアップ映像で、湖月・白羽・朝海・安蘭の4人それぞれのお芝居の見せ場シーンからピックアップしています。通常の映像版では見られない、会話シーンでの聞いている側の克明なリアクションや表情の変化などが印象的で、どれも見逃せない別アングル映像となっています。どうぞお楽しみに。


第9回 2006年1月1日
担当・緑衣のオニイ「アニバーサリーなのです」
ピアノサウンドさて、もう随分過ぎてしまいましたが、昨年の6月10日は何の日だったでしょう?
・・・との問いにあっさり正解される方がおられたらちょっとオドロキですが、答えは「タカラヅカ・ピアノサウンド・コレクション発売10周年記念日」なのです。
ご存知の方もおられると思いますが、’95年の雪組公演「JFK/バロック千一夜」以来、当社から発売しているこの商品は、公演毎に主題歌・挿入歌5〜6曲選び、宝塚大劇場ロビーのピアノで自動演奏している模様を録音したもので、おかげさまでこの10年、安定したご支持を頂いているCD(昨年まではカセット)です。
基本的には初日発売が前提ゆえ、制作に際して演出の先生に選曲をお願いしたり、音楽の先生に譜面をお願いしたりするのはどうしても稽古もたけなわという時期で・・・本当にいつも先生方には色々とご無理をお願いしているのです。
そして何といってもこの10年間、お忙しい中、雨の日も風の日も皆勤でこの商品に携わって下さっているのが、音楽の吉田優子先生。ロビーでは無人のピアノが黙々と(?)演奏しているように見えますが、あれは予め吉田先生が演奏して下さったものをフロッピーに記憶させて繰り返し再生しているのです。
時折、休憩時間などに小さなお子さんが不思議そうに自動演奏ピアノを見つめておられる光景を見かけますと、自分が曲を作ったわけでも演奏したわけでもないのに何やら嬉しい気持ちになります…。
というわけで(?)今後共タカラヅカ・ピアノサウンド・コレクションをご愛顧の程、よろしくお願い致します。
(追記:当社でカセットとして発売し始めたのは今から10年前ですが、自動ピアノは新宝塚大劇場がオープンして間もない頃から存在していますので、吉田先生の連続演奏記録はとうに10年を経過しています! 念のため)


第8回 2005年12月1日
担当・緑衣のオニイ「舞台映像は如何にあるべきか!!」
このところ宝塚ファンの皆さんに向けて、自分の担当した商品について書かせて頂く機会が多く大変嬉しく感じていますが、いざ何かを語ろうとすると口ごもってしまうことが多いのです。
なぜか?・・・と考えるに、それはきっと私たちが作者ではなく、言うなれば翻訳者だからでしょう。
私たちの役目は、宝塚歌劇の舞台作品を、“劇場”という空間から次元の異なった“映像”という場において、元の作品の持ち味を生かしつつ“翻訳”し、ファンの皆さんに提供することです。その際に作者でもない私たちが「ここがオススメのみどころ」「感動的なこの場面に注目して欲しい」などと申し上げるのは如何にもおこがましいのではないか。
とは言え映像的オススメポイントがないかと問われれば、ない訳がない。例えば雪組公演ビデオ&DVD『霧のミラノ』で言うと、“第9場A・表と裏A”でのある局面。早口でまくし立てる尼僧アルド(灯)に、主人公ロレンツォ(朝海)はたじたじとなるが、ロレンツォの母のことが話題になった途端、スッとロレンツォの表情が豹変する。このリアクションは後のとある場面への伏線でもあり・・・オットまだご覧になってない方の為にもこれ以上は申せませんが、ここなんかは映像的にもご注目頂きたい瞬間のひとつです。
しかし舞台実況映像たるもの、当然のことながらやはり最も大切にすべきは“流れ”であって、問題は全編ご覧頂いた後にどのようなご感想をお持ち頂けるかにかかっていると思うのです。
であればピンポイントで映像的オススメを押し付けるのも如何なものかと思ったり思わなかったり・・・で、結局口ごもってしまうわけです。


第7回 2005年10月15日
担当・緑衣のオニイ「こぼれ話あれこれ」
今回は、自分の担当したビデオやDVDにまつわる小ネタをかき集めて書いてみます。既に製造中止になっている商品も多い上に、皆さんに「へぇ〜」と言って頂ける程のネタもないですが……順不同で行ってみます。

雪組シアター・ドラマシティ公演ビデオ「一路真輝/アリア夢唄」第1部“野良猫物語”の冒頭、タイトルロゴで猫が一瞬ウィンクします。ちょっと可愛いです。ちょっとですけど。
花組大劇場公演ライブビデオ「エデンの東」のエンドロールのバックに写っているのは、編集作業時に差し入れで頂いたゼリーに光を当てて撮ったもの。同じく併演「ダンディズム!」エンドロールのバックに写っているのは、担当ディレクターのTさんが編集室に持ち込んだお子様用ブロック玩具を加工して撮ったものです。
「’95TCAスペシャル/マニフィーク タカラヅカ」の1コーナー、“シネマ・ザ・ナイト”では色々と映像上の“遊び”をさせて頂きましたが、中でも担当者と致しましては、「鉄板入りアタッシェケースに当たって跳ね返る拳銃の弾丸」が気に入っております。
花組シアター・ドラマシティ公演ビデオ「カナリア」の中に、映像でこっそりと(勿論、演出の正塚先生のご許諾を頂いた上で)“カナリアのフン”を合成した場面が二ケ所あります。探してみて下さい。


第6回 2005年10月1日
担当・紫子「人見記念講堂は熱く、熱く、熱く…」 
みなさま、こんにちは。
タイトルでお分かりのように、9月21日は春野寿美礼イン・コンサート「IGOT MUSIC」のビデオ・DVD用収録と取材が行われました。そのまさにホットな話題を書きます。
まず、前日20日。収録技術スタッフの下見日で、私も公演を見ました。この回は、樹里咲穂を始め日生劇場公演の出演メンバーが見に来ていて、アドリブは「Ernest in Love」が盛りだくさん!
春野がテーマ曲のメロディーを吹いたり、別の一節を歌って真似したり、また、客席の日生出演メンバーからも熱いリアクションがあり、お客様もかなり楽しまれている様子でした。

次に、21日当日。一日の様子を、私の仕事を絡め、抜粋ドキュメント風に書いてみます。
朝7時半。昨夜からの雨が心配でしたが、三軒茶屋付近は、微妙な曇天の空模様。
さすがにまだ早い時間で、人気のない講堂に到着。
8時から9時。映像ケーブルやカメラセッティングなどの準備作業の立ち会い、舞台スタッフへの最終確認などを行う。
9時25分頃。春野の楽屋入り。講堂の正面には、春野を待つ大勢のファンの列が整然と出来、早くも千秋楽らしい熱気に満ちている。到着から春野の取材を開始。
10時から12時。収録スタッフと最終確認やカメラ調整などを行う。
12時。収録のカメラリハーサル開始。映像全体の程良い流れが見えて、一安心。
16時。千秋楽の開演。いよいよ本番収録で、私もスタッフも気合い十分。コンサートといっても出演者が舞台センターに立って歌うような構成ではないので、即興的に良い角度や綺麗なカメラの映像を選択していくことになる。(※通常の舞台収録では、どのカメラの絵を選択していくかは、カット割と称する作業で詳細にわたり決めているケースが多い)。
また、カメラの設置場所も通常収録とは異なるため、一味違うライブ感に満ちた映像となる。中でも、とある場所に設置したカメラは、客席からは決して見られない貴重なアングルとして大活躍。
19時20分頃。笑いや涙や笑顔、驚き…本当に多くの表情や想いに満ちたMC、アンコールを含めた舞台が終演。収録も順調に終了。終演直後のコメント収録をもって、春野の取材も終了。
…というわけで、ファンの方々もまだ熱く、発売を心待ちになさっていることでしょう。
映像部分以外にもちょっとした新しい工夫を検討しつつ制作中ですので、お楽しみに!


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