第13回「専科・轟悠 星組・英真なおき・柚希礼音」
「VO5 presents スカイ・ステージ・トークSpecial」第13回は専科の轟悠、星組の英真なおき、柚希礼音が出席。初の開催地となる神戸、ポートピアホールで行われました。
今回はいつもと違った、ちょっと凝った構成で進行。会場をBarに設定し、英真のマスターが、アルバイトに応募してきた柚希と面談し、そこに轟が客として登場し、3人でおしゃべりをくり広げます。そこに生演奏も加わって、華やかなトークショーとなりました。そこから、少し紹介しましょう。
日時・会場
出演者専科・轟悠 星組・英真なおき・柚希礼音 |
幕が開くと英真が白シャツに黒のベスト&蝶ネクタイ、腰にはカフェエプロンをキリリと締めて舞台上に。「悲しけりゃここでお泣きよ…ねぇ、マスター…」と「失恋レストラン」を歌いながら、カウンターを拭いています。カウンター後ろの棚には、VO5製品がずらり。脇には生ピアノ(弾いているのは黒沢さん)が控え、雰囲気を盛りたててくれます。
最初に登場したのは、柚希。アルバイト募集の貼り紙を見て応募してきた青年ということで、面接がわりのトークがくり広げられます。「困ってたのよ、バイトくんがやめちゃって。笑顔のいい働き者の爽やかな好青年だった。ワタルくんっていうんだけどさ」と笑わせる英真。「元気そうな男の子だね」と言われ「え!? 男?」と、柚希は目を白黒させます。
そこからは柚希についてのトークに。柚希の初舞台は1999年の『ノバ・ボサ・ノバ』。轟が主演した雪組公演で、柚希いわく「お芝居でふつうの化粧をし、黒塗りも(ショーの『ノバ・ボサ・ノバ』で)できたんですよ。だからすごくおもしろかったです」と語ります。
続いて舞台歴が映像でたっぷり。まずは新人公演で、'01年『花の業平』梅若(まだ研3。本人の感想は「声が高い!」)、'02年『ガラスの風景』ミラー警部、ここからが主演で、'03年『王家に捧ぐ歌』ラダメス、'04年『1914/愛』アリスティド(「難しかった!!」)、同年『花舞う長安』玄宗皇帝。柚希の成長ぶりがよくわかる、懐かしい映像でした。それにしても、日本物からエジプト、中国ものまで、いろいろやっていますね。素朴でストレート、ちょっとボケの入った柚希のコメントがいい味を出していますが、その辺りはぜひ放送で。
「お手本がある」新人公演を卒業した今、自分の役を一から創り上げる難しさと楽しさを語り、英真から「CHIEちゃん(柚希)もこれからはいろいろ教えていかなきゃアカンねんなぁ」…。そこに、緊張した面持ちで「みなさん、ご機嫌いかがですか」と登場した、スカイ・ステージ「名作の旅」の映像が流れます。近藤勇にちなんで、京都・壬生寺、さらに北海道の五稜郭まで訪ね、レポーター役を神妙につとめています。そして「韓国公演リポート」。街を歩く柚希、安蘭らのリラックスした姿が見られます。レポーターをするときは「カメラに対してお友達のように歩いてください」と言われるそうで、舞台とはまた違ったカメラを前に話す難しさがあるようです。
採用が無事に決まったところに、「VIPなお客さま」轟が登場。こげ茶色の上下にネックレスがゴージャスです。挨拶のあと、「今日からバイトに入った」と柚希を紹介され、「いい男の子が入りましたね。丈夫そうで」。轟のボケもなかなか素敵です。
「当店のお通しです」(英真)と、柚希が白いカバーをかけたワゴンを持ってきます。カバーをはずすと、そこにはVO5製品が。ヘアスタイリングについてのトークになります。轟が愛用しているのは緑のへアスプレイ スーパーキープ。轟が「緑のスーパーキープが一番ハードですね。雨風の日にも崩れませんと断言してます」と、缶に書いてある説明を読みます。汗っかきで頭から汗をかく轟は、緑のスーパーキープでないと持たないのです。柚希は少しソフトなブルーのヘアスプレイ ナチュラルキープ、英真も同じです。
説明をじっくり読む轟を見て英真が「けっこう全部読まれるタイプですね」。「読みます。同じお薬飲む時でも、全部説明書読みます」と轟。「あぁ私も読むタイプ」と英真が同意すると、柚希の「読まないです」に会場は大爆笑。英真に「ちゃんと(読まないと)あかんよ。用法用量を守らないとね」。「用法用量を守らないで、大変なことになったことがあります」と続ける柚希に、本気で心配する英真はさすが組長。親のようでした。
男役はリーゼントを作るのにスプレイをたくさん使います。轟と英真は髪質がやわらかいのですが、柚希は「剛毛」。スプレイはたくさん必要で、公演中に同期と蓋を集めてみたら、後半からだったのに35本使っていて、びっくりしたとか。「でも最終仕上げはVO5でないとね。今日もちょっと使っています」と笑う轟。リーゼントの命は後ろ姿。柚希は「後ろ姿の毛の流れまで教えていただきました」と轟に感謝します。
そこにシルクハットとステッキが登場。柚希を前に、轟と英真がシルクハットとステッキの扱い方を伝授します。シルクハットの縁のカーブの付け方、かぶり方(リーゼントを崩さないようにVO5でしっかり固めておくこと!)、ステッキの持ち方…。実際にシルクハットをかぶってステッキを持ってポーズをとり、踊り出してしまった柚希。思わず吹き出す轟と英真でした。
轟が「アナジ」のときの思い出の衣装について語ったあと、柚希が轟に「教えてほしい」と思っているポーズの話に。「オクラホマ!」のフィナーレで轟がした、鼻をちょっとこする仕種に「カッコいい!」と憧れたのです。観劇直後、一緒に観に行った英真の前で真似してみたのですが、「全然違う」と言われてしまったとか。目の前でやってみる柚希に、「可愛い」と笑いくずれる轟でした。
轟、そして柚希の場面を中心に『TCAスペシャル2006』、そしてついこの間行われた『夢のメモランダム−植田紳爾・魂(こころ)の軌跡−』の映像を見ながら、おしゃべりがはずみます。
植田作品の思い出から(轟の初舞台は植田の『愛あれば命は永遠に』です)、3人とも出演した『長崎しぐれ坂』の話題に。轟が、最後死ぬ前に湖月・卯之助に抱かれた映像を見ながら、このとき湖月の体温が高くて「蒸れて、蒸れて、蒸れまくってました」と笑っていると、新人公演の映像が。この作品で柚希は轟の役、伊佐次をやっていたのです。新公の伊佐次&卯之助場面を見て轟「死ぬ前なのに、元気そう…」。一同大笑いでした。柚希にとって、所作、仕種など、ほんとうに勉強になった新人公演だったようです。
傑作だったのは、柚希は轟の衣装、とくにピシッとしたつけ袴が入らず、結局湖月のものを使用したという話。柚希の「衣装が入らない!」事件はほかにもあって、英真がブーツのチャックが裂けた事件を話したときは私、テレビの前で大笑いしてしまいました。柚希はけっこう衣裳部さん泣かせみたいです。しかしおおらかでポジティブ、決して知ったかぶりをしない柚希。スケールの大きな男役に育ってほしいものです。
後半は、視聴者からの質問コーナーでした。
「轟さん、個展のご予定は?」…「あります。来年の6、7月ごろ。今回は海をモチーフにしたい」。海モチーフから、ハワイなどに話が広がります。
「柚希さんがレッスン以外に何か体を鍛えるためにされていることはありますか?」…「ウォーミングアップのときに腹筋をしてます。…昔は細かったんです。バレエをするようになって途中から筋肉がつくようになって」と神妙に答える柚希。バレエのときに柚希と組みリフトをする男性が「私と組む前にやたらと鍛えるんです。それ見て、もうあかんかなと思いまして、バレリーナへの道はあきらめました」と言う柚希に、轟も英真も会場も大爆笑です。
「3人に。舞台の上で今までにいちばん冷や汗をかいた経験はどんなことですか?」…3人が舞台上の失敗、重要な小道具を忘れた(英真)、芸談に夢中で出とちりした(轟)、セリフを1ページ飛ばした、を語ります。詳しくはぜひ放送で。
続いてそれぞれが、目指す舞台人について。最後、柚希が「心ある舞台人になりたい」、轟は「清く正しく美しくという宝塚の基本を守りたい」。
プレゼント抽選会のあと、それぞれが今日の感想を語ります。司会に緊張したという英真、勉強になりましたと柚希、これからもVO5を愛用していきたいと轟…なごやかななかにトークスペシャルは終わりました。