戦争の混乱期をはさみ、幼なじみの三人の男女の想いが交錯する物語。'55年東宝／出演：越路吹雪（'37〜51年在団）　義理と人情に生きる下町育ちの蒸気船の船長力弥（池部良）は、男前の良さとさっぱりとした気っぷで人気者である。この力弥に惚れているのが、粋で鉄火な初子姐さん（越路）。しかし彼には心に誓った恋人がいた。初子の幼友達で、戦災のために未だに行方のわからない園子である。ある日、力弥の会社の自動車が何者かに盗まれた。初子の弟孝助の密告で失敗した自動車泥棒の一味らしい。その中に、鼻の横にホクロのある男がいたと孝助が言う。力弥と刑事は浅草の飲み屋を探し回ったが、どこにもそれらしい男はいない。刑事と別れを告げた後、力弥は電柱の陰から身を翻す怪しい男の後を追った。酒場「マドンナ」に飛び込んだ男に続いて力弥がドアを押し開けた時、思わず声を上げた。そこには探し求めていた園子（岡田茉莉子）がいるではないか...。写真提供：東宝

主な出演者越路吹雪