現代のドイツを舞台に、ベルリンの壁によって離れ離れになった親子を通して、祖国を分断された人々の悲しみと叫びが壮大なスケールで描かれる。麻路さきの星組新主演男役のお披露目公演。作・演出は植田紳爾。演出は谷正純。麻路、白城あやか、稔幸 他。作曲家ヘルマン（麻路）は、9歳のとき、西ベルリンに使いに行った日にベルリンの壁が築かれ、東ベルリンに住む母ベアーテ（出雲綾）と引き裂かれたという過去を持っていた。ヘルマンは、母への想いと分断された祖国の哀しみを訴えるために「国境のない地図」を作曲。この曲とヘルマンの物語は大反響を呼び、日本人記者渡瀬（稔）から、隣人ザビーネ（白城）が東ドイツでベアーテと一緒に住んでいたことがあるという情報がもたらされる。そして念願の東ドイツ公演も実現することとなった。しかしこれは、国際社会における東ドイツの悪評を払拭する為の策であり、招聘窓口となった文化省の女性、ベロニカ（白城の二役）は、実は東ドイツ秘密警察の人間だった。だが、ベロニカが死んだと思われていたザビーネの双子の姉であることが分かり、ベロニカの身の上を聞いたヘルマンは、冷たい仮面の下に隠した彼女の素顔を知り、心を動かされる。

主な出演者麻路さき、白城あやか、稔幸 他