'54年東宝／寿美花代（1948−63年在団）主演。女子大学の水泳部のコーチを務める下町の料亭の娘と、財閥会長の甥との出会いとすれ違いをコミカルに描く作品。江戸前の格式高い料亭「八百重」の主人重兵衛は、職人気質の一徹な割に気のいい人柄。ところが、ある日、大事なごひいき筋の有名な財閥会社会長・岩村総左衛門氏からじきじき、お前の娘を甥が見初めたので、ぜひ嫁にという結婚の申し込み。重兵衛にしてみれば、二つ返事で承知したいところだが、「あの強情な娘が…」と写真を前にして思案投げ首。当の勝子（寿美）は、その頃、女子水泳選手権を数日後に控えて、伊豆は伊東の温泉プールで女子大の水泳合宿のコーチに大わらわ。父親が長距離電話をかけての懇願も、「今時見合い結婚なんて」とニベもなく断って涼しい顔。父親の重兵衛は、ついに伊東にまで出張に及び、再考を促したが、勝子は意中の人がいる、ときっぱり断った。さて、勝子の意中の人とは？

主な出演者寿美花代