近年上演された本公演以外の作品を取り上げ、出演者達の見えざる苦労や工夫、こだわりのポイントなどに着目。専科の“マイスター”と、当時その作品に出演していたゲストとで作品の楽しみ方をより深く伝授するトーク番組。第15回は2023年に上演された雪組『双曲線上のカルテ』をご紹介。渡辺淳一氏の医療小説が原作、物語の舞台をイタリアに移して、医療や命、愛をテーマに深い人間ドラマを描いたミュージカルです。今回のマイスターは、2012年の初演、そして今回の再演にもセルジオ役で出演した夏美よう。繊細な感性と確かな見識、深い洞察力で独自の解析を導き出し、常にゲストの心と成長ぶりにあたたかく寄り添います。ゲストは、医師で主人公フェルナンドの同僚、ランベルトを丁寧に演じた、縣千です。これまでに雪組作品で共演も多いふたりは、作品さながらのやり取りも交えつつナチュラルにトークを展開。「マイスターズチェック」のコーナーでは、実際に映像を見ながら“いくつもの物語に刻まれる生命の輝き”について語ります。ランベルトは自分に似ている所があるという縣は、タイプの異なるフェルナンドとの関わりや和希との芝居を丁寧に表現していった工夫を語ります。そして番組の後半、夏美への質問コーナーでは、自身の芝居をもっと深めたいと願う縣の姿が印象的です。今はもう懐かしく感じられる作品を、当時の出演者に想いを馳せながら、新鮮な発見や納得を持って味わい直せる30分―。舞台人としての縣の個性をよく理解し、その成長を見守ってきた夏美の優しいエール、もっと高みを目指したい縣とのやり取りは必見です。他の出演者も着目しながら、改めて作品を見直したくなるトークを、どうぞお楽しみください。

主な出演者夏美よう、縣千