2004年カナダでの初演後、パリを始めとする世界各地で上演され、20周年となる2024年には世界ツアーも実施されているフランス発のミュージカル。宝塚歌劇では2016年雪組の望海風斗主演により日本初上演を果たし、印象的な楽曲の数々と、出演者たちの刻む情熱的なフラメンコのリズムによって綴られたドラマティックな舞台が絶賛を博したフレンチ・ミュージカルの待望の再演。潤色・演出は生田大和。’24年花組・御園座。永久輝せあ、星空美咲　他。スペイン、アンダルシア地方。赤い砂塵の吹き荒ぶセビリア。女、酒、そして目眩く快楽を追い求め、悪徳と放蕩の限りを尽くして生きる男ドン・ジュアン（永久輝）は、ある夜、高潔な騎士団長の娘を欲望のままに誘惑する。娘を穢されたと知り、怒りに駆られた騎士団長は勇敢にも決闘を挑むが、ドン・ジュアンの非情な剣に命を奪われる。しかし闘いが終わり、立ち去ろうとするドン・ジュアンの前に、不気味な影が立ちはだかる。それは、確かにこの手で葬った筈の騎士団長の亡霊。「いずれ『愛』によって死ぬ。『愛』が呪いとなるのだ」と、呪詛の言葉を遺し亡霊はドン・ジュアンの前から姿を消す。亡霊の言葉など……恐れること無く、日毎夜毎ドン・ジュアンは変わらず快楽に生き続ける。だが、騎士団長の石像を作る彫刻家のマリア（星空）と巡り会ったことでドン・ジュアンの運命が変わる。そしてそれは、彼を破滅へと導く「愛の呪い」の始まりであった……。

主な出演者永久輝せあ、星空美咲　他