近年上演された本公演以外の作品を取り上げ、出演者達の見えざる苦労や工夫、こだわりのポイントなどに着目。専科の“マイスター”と、当時その作品に出演していたゲストとで作品の楽しみ方をより深く伝授するトーク番組。第29回は、2024年に上演された花組『ドン・ジュアン』をご紹介。フランスのミュージカルを宝塚版としてドラマティックに潤色・演出、スペイン・アンダルシアを舞台に、悪徳と放蕩の限りを尽くす貴族の跡取り息子が真実の愛にもがき苦しむさまを描いた、傑作ミュージカルです。今回のマイスターは、天性の感覚や独自の目の付け所で作品の楽しみ方をキャッチし、明るく楽しくトークを盛り上げる、英真なおき。ゲストは、主人公ドン・ジュアンの唯一の友で理解者、ドン・カルロを演じた、希波らいとです。ふたりは終始ほがらかなトークを展開。「マイスターズチェック」のコーナーでは、実際に映像を見ながら“魂を揺さぶるような愛の歌”についてじっくりと語ります。永久輝の親友役、ナンバーが多い上に、感情を抑える難しい芝居、不安や焦りも感じられる中で、自分なりの役創りを広げていき、やりがいを持てるようになったと、希波は素直に胸中を明かします。今はもう懐かしく感じられる作品を、当時の出演者に想いを馳せながら、新鮮な発見や納得を持って味わい直せる30分―。役と歌に真摯に向き合って手ごたえを得た希波と、雪組での初演に次いで今回もドン・ルイを演じた英真による、聞きやすいトークと、当時の貴重なオフショット写真をどうぞお楽しみください。そして、この作品を改めてじっくりとご覧になってみてください。

主な出演者英真なおき／希波らいと