中国の有名な伝説「白蛇伝」とそれをもとにした林房雄「白夫人の妖術」の映画化で、愛の美しさとともに人間性の限界をも描く。'56年東宝／出演：八千草薫（'47〜57年在団）　雨を呼びやすい花の季節、若い許仙（池部良）は、西湖に舟を漕ぎ出して清明節のひとときを楽しんでいたが、急に渦巻くように黒い雲が拡がって、春雷をともなった雨足が襲ってきた。驚いて早速、舟の屋形に身をひそめ家路に急ごうとしたが、岸辺の楊柳の木陰で白衣と青衣の美しい女が突然の嵐を避けているのが目についた。はっとする間もなく、許仙の舟は吸い寄せられるように岸辺に近づき、許仙は二人に屋形の席を譲ったが、乗りこんできた白衣の美女の許仙を見つめる瞳には、並々ならぬ情熱が秘められていた。許仙はすっかり気圧されてしまい、この女は白娘（山口淑子）という名の持ち主で、青衣の女は召使いの小青（八千草薫）であるという挨拶の言葉も上の空であった...。

主な出演者八千草　薫