53年東宝／有馬稲子（1949−53年在団）主演。直接の上司に心惹かれつつも、その親友に交際を申し込まれ、揺れ動く新入女子社員の心模様を、女性の地位向上という問題もからめて描く。藤野節子（有馬）は、ひまわりのように清く明るい女性で、入社した日より、庶務課の日立一平（三船敏郎）の下で働くことになった。一平は、会社へ来た暴力団を投げ飛ばしたことから「弁慶さん」というニックネームで呼ばれている体格のいい好青年だった。お茶の好きな一平のために、節子は欲しいころを見計らってお茶をついでやっていたが、男女同権に反するということから、社内で女事務員のお茶汲みストが始まった。節子は、残業の時、お茶を飲みたそうな弁慶さんにお茶を汲んでやったが、翌日屋上へ呼び出され、リーダー格の英子に、みんなの前でビンタをもらった。洗面所でボロボロ涙を流す節子にハンカチを貸したのが、勤続15年で社内でも一目置かれている直子であった…。

主な出演者有馬稲子