架空のタカラジェンヌたちの在団中から退団後の出来事を、稽古風景や舞台映像もふんだんに盛り込みながら綴っていく。'51年・東宝。銀座の裏通りで婦人帽子店を経営している五月千種＜美保＞（春日野）は、かつて宝塚の男役として知られていた。ある日、彼女の舞台時代のコンビであり、現在宝塚の名花と言われている若竹鮎子＜静子＞（月丘）が遊びに来て、青年画家・桑野恵吉（池部良）との楽しい恋物語を聞かされる。美保もまた恵吉に心を寄せていたが、静子と恵吉の仲を知り、あきらめて舞台を去ったのであった。静子と美保は、二人で演じたかった「ロミオとジュリエット」について語り合う。静子は、今度相手役として抜擢された花空すみれ＜一枝＞（有馬）を、かつて彼女が美保に教えられたように教え、次の時代の舞台を守りぬくことを固く約束して帰る。恵吉から今すぐにでも宝塚を退めて結婚してほしいと迫られた静子は、今度の公演が終わるまで待ってほしいと言うが…。

主な出演者春日野八千代、月丘夢路、八千草薫、有馬稲子 他