今回スポットを当てるのは専科の磯野千尋。はじめはほとんど興味のなかった宝塚だが、友人に誘われて一目見るなり好きになったのだとか。当時あった別科に通い、そのまま音楽学校を受験し、入学。「団結の60期」と言われるほどまとまった期生で、初舞台のラインダンスがとても揃っており、よく褒められたと話す。初演の『琥珀色の雨にぬれて』で初めての通し役がついて、それ以来芝居の面白さに目覚めたそう。また、得意のダンスについても様々なエピソードを語る。花組の副組長と組長を歴任してきた磯野。それぞれの立場からみた花組を、優しい目をしながら語る磯野は、いかにも頼りがいのある上級生の雰囲気を漂わせている。「かわいいからつい面倒をみちゃう。」という言葉は、磯野の人柄をそのまま感じさせる言葉ではないだろうか。包み込むような柔らかさと、年季の入った男役の色気を併せ持つ磯野の魅力に迫ります。

主な出演者磯野千尋