スペインの港町バルセロナを舞台に、船乗りの兄弟と宿の娘を軸に、人生の哀歓を美しく謳いあげた作品。作・演出は大関弘政。'86年花組・宝塚大劇場。高汐巴、秋篠美帆、大浦みずき 他。スペイン内乱もふた昔前のこととなり、落ち着きと活気を取り戻した1960年頃、貨物船「希望号」が約2年ぶりにバルセロナに帰港する。一等航海士のミゲル（高汐）と弟のエミーリオ（大浦）は、内乱で両親を失くし浮浪児となっている所を、船長のパブロ（但馬久美）に助けられ、今日まで船長を親代わりに海の上の暮らしを送ってきた。ミゲルは故郷バルセロナに帰ったのを潮時に、船を降りようと思っていた。ミゲルはマリーア（秋篠）という娘と出会い、一目で恋に落ちてしまう。マリーアは祖父のモレーノ（岸香織）と二人で、安宿を兼ねた「キャフェ・モカ」を切りまわしていた。偶然店を訪れたミゲルとエミーリオは宿泊することにするが、ミゲルが書いた宿帳を見て、モレーノは二人が生き別れになった孫たちだと騒ぎ出す…。

主な出演者高汐巴、秋篠美帆、大浦みずき 他