スエズ運河開通記念に建てられたオペラハウスの柿落としのために、ヴェルディがエジプト太守から依頼されて作曲した作品。初めは断ったヴェルディだが再三の要請を受け入れ、音楽界に残る傑作を世に送り出した。物語は古代エジプトを舞台に、エジプトの将軍ラダメスと敵国エチオピアの女王アイーダの悲恋を描いた大スペクタクル劇。祝典用オペラに相応しく、多数の登場人物、大掛かりな舞台装置、バレエ団も登場・・・と華麗で絢爛。ヴェルディは、メンフィス神殿を発掘し、地下牢に男女の遺体を発見したというエジプト研究家の発表に心動かされて、このオペラの原案にしたという。1985年にミラノ・スカラ座でマゼールがタクトを振ったこのプロダクションは、「アイーダ歌い」として名高いタイトル・ロールのキアーラを初めとして、ディミトローヴァ、ポンス、ギャウロフ、そしてラダメス役のパヴァロッティと、キャストも豪華。ロンコーニのスペクタクル映画のような演出も見どころ。

主な出演者パバロッティ、キアーラ、ディミトローヴァ