'82年に直木賞を受賞し、映画版も「日本アカデミー最優秀脚本賞」を受賞した、つかこうへい作「蒲田行進曲」を原作に宝塚バージョンとして作られ、'96年に久世星佳を中心とした月組により宝塚バウホールにて初演、好評を博した作品。'08年には大空祐飛、野々すみ花を中心とした花組により再演。今回は、宙組トップスターとなった大空が再び挑戦、全国ツアーバージョンとして新たにフィナーレナンバー等の新場面を盛り込んで上演された。潤色・演出は石田昌也。大空、野々 他。映画スターの銀ちゃんこと倉岡銀四郎（大空）は自己中心的な性格で、何でも自分が主役でないとダメ。だから恋人の落ち目の女優・小夏（野々）や子分の大部屋俳優・ヤス（北翔海莉）は気の休まる暇がない。小夏に赤ちゃんができるが、折しも撮影所では銀ちゃん主演の映画「新撰組」の撮影中。自分は大スターだと思いこんでいる銀ちゃんは、スキャンダルを恐れて、小夏をヤスと結婚させてしまおうと考える。最初はヤスを嫌っていた小夏だが、出産費用のために危険なスタントをするヤスの優しさに触れ、次第に心が動いていく。そんな時、銀ちゃんの一番の見せ場である「池田屋階段落ち」のシーンが、危険過ぎるという理由でカットされそうになる。意気消沈する銀ちゃんを見て、ヤスは階段落ちを買って出る…。

主な出演者大空祐飛、野々すみ花 他