人道的活動団体・赤十字を創設した、スイス人実業家アンリー・デュナンの生涯をミュージカル化。情熱的で人間愛に溢れたデュナンの姿を通し、命の尊さ、そして国籍、人種宗教などにかかわらず、人類が平和に暮らしていくことの大切さを描く。作・演出は植田紳爾。新人公演担当は鈴木圭。'10年雪組・東京宝塚劇場・新人公演。彩風咲奈、愛加あゆ 他。1859年、第二次イタリア独立戦争では、イタリアが圧倒的に優勢な立場にあった。しかしオーストリア軍も抵抗を続け、戦況は緊迫、両軍の死傷者は跡を絶たず、野戦病院から溢れた負傷者は教会などに収容されていた。ジュネーブからの旅行者、デュナン（彩風／本役は水夏希。以下同じ）は悲惨な光景を目の当たりにし、大きな衝撃を受ける。傷を負ったオーストリア兵に助けを求められたデュナンは兵士を教会へ運び込むが、看護婦のアンリエット（愛加／愛原実花）に手当てを断られる。彼女は両親をオーストリア兵に虐殺され、オーストリア人に憎しみを抱いていた。尊い命を救うのに敵も味方も関係ないと主張するデュナンに、イタリア軍参謀長ボルリノ（香綾しずる／音月桂）は、生きるか死ぬかの戦場で差し出た正義感など迷惑だと言い捨てる。それでもデュナンは、何か手伝わさせて欲しいと医師のエクトール（帆風成海／彩吹真央）に頼むのだった…。

主な出演者彩風咲奈、愛加あゆ 他