清朝後期（1840年頃）、阿片戦争前夜の南中国を舞台に、将来を嘱望されながらも故郷を外国軍の侵略から守るために散っていった青年の生き様を描く。作・演出は大関弘政。'91年花組・宝塚大劇場。大浦みずき、ひびき美都、朝香じゅん 他。広州の湊町。この町の小料理屋の倅に生まれた張才子（大浦）は、子供の頃から神童の噂も高く、それを見込んだ裕福な貿易商・柳の援助で学業に励んだ。以来20年、数々の官吏登用試験・科挙に合格し、北京留学の末、将来は政府高官を約束される最終試験に首席合格した。錦を飾って帰郷した張だが、大恩人・柳が、同業者の讒言から失脚し獄死したことを知る。ようやくのことで柳の娘、緋玉（ひびき）と再会するが、緋玉は番頭の竜童（真矢みき）と、イギリス商館のロバートソン（安寿ミラ）の援助で密貿易をしていた。再会をした張と緋玉の心には昔からの恋心が激しく燃え上がる。しかし時代は激動の時を迎え始めていた。国禁阿片密輸に伴う銀の流出から重税を課せられた農民は各地で暴動を起こし流民となり、都市の豪邸が次々と襲われていた。嘗て張の同窓生だった氾長生（朝香）は、流民の首領となり、革命運動に身を投じていた。そして、阿片貿易を迫る外国とは武力衝突は避けられないものとなりつつあった。

主な出演者大浦みずき、ひびき美都、朝香じゅん 他