トルストイの長編小説「戦争と平和」をもとにプロコフィエフが人生の後半の約12年をかけて作曲した５幕（全13場）とエピローグからなる長大な歴史絵巻。帝政ロシア時代の上流貴族社会と、ナポレオンのモスクワ侵攻を背景に、ナターシャとアンドレイ・ボルコンスキー公爵の純愛、ピエール・ベズホフ伯爵と妻エレンの兄アナトールそれぞれのナターシャへの思い、従姉ソーニャや父親ロストフ伯爵とナターシャとのかかわりが描かれ、後半にはロシア軍総司令官クトゥーゾフ公爵を中心とした戦いの場が登場するなど、ロマンスあり戦争ありの超大作。1944年モスクワで演奏会形式で初演された後、何度も改訂が重ねられ、最終版は作曲者の死後、1959年ボリショイ劇場で初演された。ゲルギエフはこのオペラのためにイギリスから演出のグレアム・ヴィック、美術のティモシー・オブライエン、照明のマシュー・リチャードソンらを招き、非常に洗練された舞台を作り上げ、ロシアのオペラに革命を起こし、「戦争と平和」の決定版、と世界で絶賛された。

主な出演者作曲：セルゲイ・プロコフィエフ　指揮：ヴァレリー・ゲルギエフ　演出：グラハム・ヴィック　出演：ニコライ・オゴトニコフ、ユーリ・マルーシン