1990年代頃の宝塚バウホール公演の名作を、貴重な映像のダイジェストと、新収録の朗読でご紹介する番組。今回ご覧いただくのは、姿月あさとの宝塚バウホール公演初主演作であるバウ・ロマン『たけくらべ』（1994年月組、柴田侑宏 脚本・演出、花若春秋 振付・演出協力）です。明治期に活躍した女流作家・樋口一葉の同名小説を舞台化した作品で、伝統的な女流文学の決め細やかさが存分に表現されています。明治時代の遊郭吉原に隣接した特殊な環境の中に育つ思春期の少年少女たちは、幼少時代のような無邪気さで接することができないお互いの葛藤を抱え、成長していく・・・演出の柴田は、この作品は非常に劇化するのが難しい作品であったと語っている。それだけ、この「たけくらべ」という小説の繊細さが際立っていたとういことなのでしょう。その瑞々しい多感な少年少女の心情を見事に描き出した今作品で主役・真如を演じるのは、後の宙組トップスターとなる姿月。その他にも、風花舞・汐風幸など若き日のスターたちも活躍する今作品を、どうぞお楽しみ下さい。（2013年3月初回放送）

主な出演者華耀きらり