41年東宝／櫻町公子（1932-44年在団）主演。東京の裕福な家に女中奉公に出てきた純粋で元気な漁村の娘が、様々な出来事を通して、周囲の人々を感化し皆に愛されていくさまを描いていく。櫻町の快活な魅力があふれる作品である。外房の海岸に育ったお浜（櫻町）は、父と兄が漁に出たまま行方不明になって以来、地曳網を手伝ったり、獲物を運んだりして自活している男勝りの娘である。近所の若者の誘惑などには猛烈な反抗を示す。それだけに活発で、暇には浜の子供達を引き連れてよく遊ぶ。村の学校の石黒先生は、お浜の境遇に同情して、よく目を掛けていた。東京の画家・島田が、この浜にスケッチに来ていたが、お浜の野性的な美しさと純朴さに、たちまち画趣が動いた。お浜はそれを知って憤慨する。この頃村の網元の弟で東京・山の手の住宅街に魚屋を商う魚辰は、村に買い入れかたがた、お得意先・槇博士邸の女中を探していた。皆はお浜に白羽の矢を立てる…。

主な出演者櫻町公子