八千草薫が現役時代に主演した作品で、阪神間を舞台に、高校生の少女と隣家の大学生とのほのかな恋の行方を描く。'54年宝塚映画／出演：八千草薫（'47〜57年在団）。松川家の主人新吉（斎藤達雄）は、広告会社の専務、と言えば聞こえはいいが今流行の三等重役。妻のたみ（清川玉枝）は、次女ひろ子（八千草）、長男保（井上大助）の優しい母親。ひろ子は、勝気でそのくせ強情の可愛い高校三年生。保は、高校二年の生意気盛りで、ひろ子とはよく喧嘩をするが姉思いの弟である。隣の中川家の主人政治（瀬川恭助）は、東京から転勤以来、妻の八重子（英百合子）、大学四年で就職試験で忙しい長男の治夫（太刀川洋一）と三人暮らし。こんな隣同士がある日、ひろ子とその学友の文子（上月左知子）、保と治夫、治夫の学友の和郎（尾棹一浩）とでドライブに出かけた。ひろ子は、文子が治夫に関心を持ち出したことから、初めて治夫に対し異性としての気持ちを抱く...。

主な出演者八千草　薫