2000年以降に宝塚歌劇団に入団した演出家の仕事ぶりやこだわり、宝塚に向ける想いやミライにフィーチャーする番組、第3回は「生田大和」を取り上げる。1981年東京都生まれ、神奈川県育ち。初めて観た宝塚の作品は、月組『エールの残照』『TAKARAZUKAオーレ！』で、その後も観劇を重ね、岡田敬二の"ロマンチック・レビュー"に強く惹かれ、レビュー作家になりたいとの想いから2003年大学卒業と同時に宝塚歌劇団に入団。小池修一郎の下で研鑽を積みながら2010年に花組『BUND／NEON 上海』で演出家デビュー。2014年に花組『ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-』で宝塚大劇場デビュー。以降、月組『春の雪』、雪組『ドン・ジュアン』など生田ならではの緻密であざやかな美に満ちた世界観を持つ作品を数多く創り出している。そんな生田の根底には「どこから来て、どこへ行くのか…」という問いかけと、四世代に渡る幅広い宝塚ファンと"世界"を共有するための"子供心"がある。出演者やスタッフ達、目の前にいる相手との積極的な対話を喜びとし、頭の中に浮かんだ絵を現実のものとして、表現するために精力的に突きつめて、深く練り上げていく−。傍目にはストイックに見えても「全く苦しみではない。お客様の人生が豊かになる手助けとなれるならば」と言い切る強さが生田にはある。最新作の星組『ディミトリ〜曙光に散る、紫の花〜』の現場における貴重な姿、共に作品を創るスタッフとの対話、星組の礼真琴の証言なども交えながら構成する30分―。"子供心"が垣間見える意外な姿、物事を柔軟に捉える"オトナごころ"による誠実さやあたたかさを感じる姿…そんな生田の両面をじっくりとご覧ください。

主な出演者生田大和