近年上演された本公演以外の作品を取り上げ、出演者達の見えざる苦労や工夫、こだわりのポイントなどに着目。専科の“マイスター”と、当時その作品に出演していたゲストとで作品の楽しみ方をより深く伝授するトーク番組。第28回は、2025年に上演された星組『にぎたつの海に月出づ』をご紹介。一首の和歌から着想を得た壮大な万葉ロマンを、宝塚らしい情緒に満ちる新しい歴史物語として紡ぎ出した、宝塚オリジナルの傑作です。今回のマイスターは、繊細な感性と確かな見識、深い洞察力で独自の解析を導き出し、常にゲストの心と成長ぶりにあたたかく寄り添う、夏美よう。今回のゲストは、後に舒明天皇となる田村皇子を演じた、稀惺かずと。実は完全に初顔合わせのふたりは、緊張感と落ち着きの両方を持ちながら、おだやかにしっかりと話し進めていきます。稀惺は和物でしかも高貴な身分の役の大きな通し役、国を寶皇女を想いながらも愛ゆえの欲望を持ち、嫉妬に苦しむような姿、光と影の二面性を出すことに苦心しながらも、自分なりに冷静に分析してバランスを取って演じられたと語ります。番組の中盤、「マイスターズチェック」のコーナーでは、実際に映像を見ながら“光と影が織りなす幻想的な美”について、トークを展開。今はもう懐かしく感じられる作品を、星組生としての最後の主演作を熱演した極美慎についてはもちろん、そのほかの出演者にも想いを馳せながら、新鮮な発見や納得を持って味わい直せる30分―。真面目に語り合い、なごやかな雰囲気に満ちていったふたりのトーク、当時の貴重なオフショット写真の数々もどうぞお楽しみください。そして、この作品を改めてご覧になってみてください。

主な出演者夏美よう／稀惺かずと