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第10回「心中・恋の大和路」の3本立てと、歌舞伎「恋飛脚大和往来〜新口村」

 木枯らしが吹きすさび、落ち葉を飛ばしています。気がつくとすっかり冬ですね。気温ももう1月なみとか。空気が乾燥しているせいか、風邪が大流行しています。皆さまも、健康に注意してお過ごしください。
 3週間のご無沙汰です。お久しぶりのM・Kです。あくまでも一ファンの立場から、スカイ・ステージの番組の見どころをお伝えする私の舞台チェックも、もう10回目。これもサイトを見てくださっている皆さまのおかげと、ただただ感謝しています。

 今回は12月の番組をチェックしましょう。
 12月の目玉はなんといっても、12月13日に行われる、吉崎憲治オリジナルコンサート『TAKARAZUKA FOREVER』でしょう。なんといっても完全生中継!13日18時45分にはテレビの前に全員集合!ですね。何せ、春野寿美礼、香寿たつき、和央ようか、初風緑、樹里咲穂などの現役スターに加え、OGの瀬戸内美八、紫苑ゆうという豪華メンバーが出演するたった1回きりのコンサートが、テレビでリアルタイムで見られるのですから、見逃すと絶対に後悔しますよ。とくに紫苑ゆうの久々の登場は、退団後に引退した人だけに非常に楽しみです。


 12月のもう一つの楽しみは、その吉崎憲治が音楽を担当した名作「心中・恋の大和路」の豪華3本立て。近松門左衛門「冥途の飛脚」を原作に、菅沼潤がロック・ミュージカルとして脚色・演出した作品で、もしバウホール名作選が選ぶとしたら必ずベスト3以内に入るだろうと思われる大傑作です。
 江戸時代の大阪を舞台にしたこの作品、飛脚問屋亀屋の主人・亀屋忠兵衛が、惚れた遊女・梅川の身請けのために客の金に手をつけてしまい、逃避行。追っ手が迫る中、雪山で心中するというもの。義理と人情の狭間で、純粋な愛を貫く男女、そして友情の姿が涙を誘います。
 この作品でとくに効果的だったのが、全編を貫くロックミュージック。このロックの響きが作品に現代にも通じる普遍性を与えていました。またシンプルな装置(大橋泰宏)もすばらしく、とくに最後の雪山の心中シーンで、舞台床を覆っていた白い布がつり上げられると雪山が出現するあたりは、目を見はるあざやかさでした。


 初演は1979年。星組の瀬戸内美八・遥くららコンビで上演されて大好評を得、82年にはやはり星組で再演。このときは瀬戸内美八の相手役に姿晴香が起用されています。そして89年には月組で剣幸・こだま愛コンビにより再々演。約10年後の98年には、雪組で汐風幸と貴咲美里主演で上演され、さらに翌年の99年には場所を東京・日本青年館大ホールに移して上演されています。
 見どころは、全部と言いたいところですが、まず冒頭、飛脚が飛ぶように往来する中、亀屋忠兵衛が切迫した調子で歌い出すところに注目を。重いロックのリズムが運命を象徴するように暗く響き、背面の墨流しのような装置も不吉な運命を暗示しています。
 そしてやはりラストでしょう。雪山に逃れた二人を見送った友人・八右衛門が、追っ手に「二人を行かせてやろう……あなた方が捕らえなくても、この大雪が自然に裁いてくれる……この大和路の雪の中に、二人を静かに閉じこめてやってくれないか」と諄々と説くあたりから、私はいつも涙があふれてきたのですが、そこに手代・与平が「この世にただ一つ、それはお前……」と静かに歌い出し、しだいに絶唱へと移り、雪の中で息絶える二人の姿にオーバーラップしてくると、もう滂沱の涙でした。
 そうかといって悲劇一本槍ではなく、女中のおまんと丁稚の甚内、庄介のやりとりや、新口村でのおかねなど笑いをさそう場面もきっちりあります。忠兵衛と八右衛門のやりとりもそこはかとなくおかしく、いい味を出しています。
 今回の放送では、まず星組公演の映像が見ものでしょう。残念ながら初演ではなく82年の再演版ですが、未公開映像がみつかったそうで、これは貴重です。瀬戸内の忠兵衛は形が美しい華のある二枚目で、ずっこける場面でのおかしみも印象的です。梅川の姿は甘くとろりとした美しさ。八右衛門は峰さを理の当たり役で、華があります。かもんの桐生のぼる、与平の山城はるかと懐かしい顔が並びます。
 89年の月組版。剣幸は演技巧者らしく忠兵衛の心理を的確に積み上げて、こうなるしかなかったと納得させてくれました。こだまの梅川は、ほとばしりの激しさが印象的でエネルギーがあります。桐さと実の八右衛門は、実直で剛毅。かもんは邦なつき、与平は波音みちる。番頭伊兵衛・友人忠三郎の二役で、星組公演からひきつづき立ともみが出演していますが、こういう忠義な役はぴったりです。


 さて今まで偉そうに書いてきましたが、実は私、実際の舞台を見たのは、一番新しい雪組版だけ。月組はBS放送では見ていましたが、実際に見たときは本当に感動しましたね。
 今回の放送はバウ版で、まず忠兵衛の汐風は、さすが上方歌舞伎のお家の血筋というか、おっとりとしたぼんぼんぶりがぴったりで、仕種も表情も、角が一つもない、たおやかさ。絶品でした。貴咲の梅川は、少女のようにひたむきで可憐。忠兵衛がこの女のためなら身を滅ぼしてもいいと思うのが納得できる、無邪気でかわいらしい梅川でした。そしてこのときの八右衛門・汐美真帆が絶品でした。大阪言葉も美しく、所作にも隙がなく、前述した追っ手への口説きのあたりなど情が深く、この人化けたなと思ったものです。二枚目の丁稚・庄介に、現・花組の彩吹真央が入っているのにも注目を。かもんには灯奈美。与平は未来優希で、絶唱を聞かせます。憎々しげでいながらおかしい妙関と心情にあふれる孫右衛門の二役で、未沙のえる。下級生では、しじみ売りの天勢いづる、飴屋の蒼海拓のシャープな動きに目がいきました。
 ちなみに、青年館公演の役替わりについていうと、組替えで月組に行った汐美の代わりに、八右衛門には宙組から来た朝海ひかる。ダンスの人という印象だったのですが、声が低く歌唱力があるのにびっくりした覚えがあります。また花組に行った彩吹に代わって庄介には、やはり組替えで花組から来た蘭香レア。意外に線が太く、男っぽいのを発見しましたね。
 汐風幸といえば、父は片岡仁左右衛門、兄は片岡孝太郎。その二人が演じた歌舞伎の「恋飛脚大和往来〜新口村」も今月放送されます。「心中・恋の大和路」はもともと近松門左衛門の「冥途の飛脚」から題をとった作品で、今回放送される有名な歌舞伎作品「恋飛脚大和往来」とは、お話は同じですが少しバージョンが違います。しかし、「新口村」の場面は「心中・恋の大和路」でも取り入れている、忠兵衛、梅川が、忠兵衛の実父孫右衛門と出会う名シーン。梅川が孫右衛門の鼻緒をすげてやり、それを小屋の中から見る忠兵衛というあたり、セットも含めそっくりなので、比べてみるとおもしろいでしょう。仁座右衛門さん、孝太郎さんは、さすが親子、兄弟。汐風と面影が似ていますよ。


 さて、次回のアップは12月11日(水)の予定です。年末年始特集が見たいものばっかりのM・Kです。スタッフの皆さん、是非その番組チェックができれば、嬉しいです。次回までごきげんよう!


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■カウントダウン特集バックナンバー(2001年4月17日〜2001年7月1日)


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