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![]() ![]() 木々の緑がまぶしく、風が心地よい季節となりました。開けはなった窓から外を見ると、緑のシャワーを浴びているようで、今が一年中でいちばんいい気節だなあと毎朝感じています。みなさまお元気ですか? MKです。 今回の番組チェックは、この爽やかな季節に新たなスタートを切った人たちの番組を取りあげてみましょう。最初は、月組・新主演男役、彩輝直の特集番組「彩輝直 新たなる飛翔」。4月17日に始まった全国ツアー公演『ジャワの踊り子』で主演男役となった彩輝直の足跡と素顔に、舞台映像とトークで迫っています。もうひとつは「初舞台特集2004」で、お披露目したばかりの第90期、50人の初舞台生の、入学から初舞台初日までの軌跡をたどります。それに関連して、宝塚アーカイブス「初舞台」、宝塚こだわりアラカルト「ロケット」も見てみたら、これもおもしろかったですよ。
『ジャワの踊り子』の初日映像から始まった「彩輝直 新たなる飛翔」。『ジャワ踊り子』の映像はここでは一瞬ですが、これが本当にきれい!『ジャワの踊り子』は、インドネシア独立運動を背景にした若者アディナンと踊り子アルヴィアの悲恋物語。’52年初演の菊田一夫作品で、スカイ・ステージでも’82年の麻実れいと遥くららによる再演公演の映像が放送されましたね。インドネシアの民族衣装も装置も華麗で、まさにタカラヅカの王道をいくラブロマンス。再演の麻実と遥は大人っぽく格のある美しさが際立っていましたが、彩輝と映美くららはもっと甘く可憐な美しさで、二人並んだのを見ると、なかなか似合いのカップルですね。次回作、大劇場お披露目の『飛鳥夕映え』が楽しみになりました。 そして舞台映像が一気に17本。彩輝の舞台生活がコンパクトにつづられます。彩輝は’90年初舞台で、翌年月組に配属、’96年に星組に組替えされ、流された映像はこの星組時代以降でした。 最初は新人公演初主役となった’96年星組の『二人だけが悪』。5分近く流れ、新人公演映像が発売されていなかった時代の作品ですから、これは貴重。この作品は正塚晴彦のハードボイルドタッチのスーツもので、彩輝は本役麻路さきのジェイを演じましたが、この彩輝は、今見ると若い!しかし、ジェイが隠し持っているナイーブさがよく出ていて、麻路のガッチリとした存在感とはまた違う魅力を発揮。このあと星組版『エリザベート』新人公演のトートがくるのですが、この映像は放送が無理だったみたいで、残念。『エリザベート』新人公演はたまたま見る機会があったのですが、空気と一体化したような、幻のような非人間的存在感と妖しさが際立ち、誰にも真似のできないトートでした。この非人間的存在感は彩輝の魅力のひとつで、これが’98年、バウホール版の『夜明けの天使たち』(湖月わたる主演の日本青年館版とは脚本が違うもの。心に闇を抱えた青年を好演)、同年ドラマシティ『聖夜物語』(白ずくめの天使)、’00年『聖者の横顔』(ジゴロ)に結実してます。
彩輝のもう一つの魅力は、コスチュームものに際立つ濃い美しさでしょう。その系統では’97年、バウホール『武蔵野の露と消ゆとも』の徳川家茂(休演した絵麻緒ゆうの代役)、同年『ダル・レークの恋』のラジオン、’99年博多座『我が愛は山の彼方に』のチャムガ、’01年宙組の『ベルサイユのばら2001』のオスカル(水夏希と、オスカル&アンドレを交互出演。アンドレも流れます)、’02年第2回中国公演『蝶・恋(ディエ・リエン)』の文使い、’03年月組『花の宝塚風土記』の阿国。フェミニンな美しさがある人なので、オスカル、阿国など女役を振られることも多く、’99年バウホール『エピファニー』では男女二役で、’03年月組『薔薇の封印』では女装も見せています。しかし、’02年星組『プラハの春』、’03年月組『シニョール・ドンファン』で見せた実直さもまたいいし、’00年星組『美麗猫』、’02年星組『LUCKY STAR!』、’02年第2回中国ツアー『サザンクロス・レビュー・イン・チャイナ』ではショースターとしての華やかさを見せつけます。
DVD写真集「digi+KISHIN DVD」をめぐる、篠山紀信とのミニ・トークをはさみ、3月14日の『ジャワの踊り子』の最終通し稽古の模様に。映美・アルヴィアとの有名な島でのラブシーン、大空祐飛・タムロン(執拗にアディナンを追う秘密警察)との一騎打ち場面も見られます。 続いて10分ほど、映美とともにお披露目にむけた心境を語ります。最終通し稽古直後のトークで、稽古の手応え、公演への意気込み、二人の出会い(映美が星組に配属されたときが初対面。妹の彩那音と同期だったので、彩輝もよく覚えている)、作品と役について、主演者としての決意など、話がはずみます。最後に新生・月組について二人が語った言葉を、かいつまんで紹介しましょう。おだやかで自然体の語り口に密かな決意がうかがえる彩輝、しゃきしゃきとした話しぶりでさらに前への意欲を語る映美。おっとり・しゃっきりのいいコンビネーションを感じました。
(彩輝)「バウホール組と全国ツアー組に分かれているんですが、まだ、スタートしだしました、っていう感じですね?」 (映美)「はい」 (彩輝)「のりこえなくてはならない壁は沢山あると思うんです、私も含めて。その壁をのりこえて6月公演の集合日に(組子全員と)会えるのが楽しみです……すごくエネルギーをためて会えるのではないかというワクワク感があるのですが、どうですか?」 (映美)「私も(笑)。(バウ組と)お稽古場が隣になることがあって、それをのぞいたりすると、すごくがんばっていて……下級生が『くららさん、こういう役をやるんですけど、どうですか?』って来てくれると、すごくうれしくて(笑)。どちらのメンバーもがんばっていて、これが一つになったらすごいんじゃないかって思います」 (彩輝)「そういった空気感というか、個人個人のエネルギーっていうか、そういったものをお稽古中に感じたので、ものすごく楽しみですね」
トークのあとは『ジャワの踊り子』の初日映像がたっぷり。乱れて顔にかかった映美の長い髪を直す仕種に、彩輝の優しさがにじみ出ています。 「今日お客さまにいただいたパワーを私たちのパワーに変えて、千秋楽まで力を合わせて、心をこめて、一日一日を大切に、舞台をつとめたいと思います。本日は本当にありがとうございました!」……満面の笑みをたたえた彩輝の初日挨拶で、番組は終了しました。 「初舞台特集2004」は、この4月、雪組『スサノオ』と『タカラヅカ・グローリー!』で初舞台を踏んだ第90期生50名の、入学から初日までをたどるドキュメンタリータッチの番組。生徒一人一人に焦点を当てるというより、初舞台生の作り方というか、ここ2年間、彼女らがたどった道筋を、映像でていねいに追っています。 まずは’02年4月1日の合格発表から。喜びを率直に表す表情が、4月18日の入学式では一変。緊張した予科生の顔に変わっています。その間のトレーニングの厳しさがうかがえる表情ですが、これがタカラジェンヌへの最初の通過儀礼。プロの舞台人になるという厳しい道程が始まったのです。5月、すみれ売りでははじめて化粧姿が披露されます。一気に飛んで、’04年3月1日の卒業式へ。2年間の厳しいレッスンが彼女らの顔に自信と魅力を与えています。小林公平校長が祝辞で「ゴールデン・ナインティと呼ぶにふさわしいクラス」と述べたように、この期のキャッチフレーズは「ゴールデン・ナインティ」。主席の答辞、予科生からのすみれの花束の贈呈、喜びを爆発させる卒業生と、映像は続きますが、見ていて思ったのですが、音楽学校生って本当によく涙を流しますね。合格しては泣き、上級生を見送って泣き、送り出されて泣き、そうかと思えば大笑い……この感受性の豊かさも舞台人としての才能なのでしょう。
そして初舞台にむけた稽古が始まります。今回、90期生の初舞台生は例年になく出番が多く、口上に引き続き、『スサノオ』にも全場出演、そして『タカラヅカ・グローリー!』では幕開けに初舞台生のライン・ダンスがあり、90周年にちなんだ90名の大ロケット(ライン)・ダンスにも半数の25名ずつが前半と後半に分かれ出演。だからお稽古も例年以上に大変です。さらに大変なのが、番組中で雪組の飛鳥裕組長が言っているように、出番までに衣裳を着替えることから始まる舞台裏でのさまざまな準備と段取り。人にぶつからない、怪我をしない、舞台経験のない初舞台生にとってこれだって難関です。まして大階段、回り舞台、セリ、銀橋、オーケストラボックス、ドンドン下りてくるバトンと緞帳……はじめての大劇場の舞台のハードルは高いはず。番組を見ているこちらもがんばれと声援を送りたくなりました。
番組は90名の大ロケット、初舞台生のライン・ダンス、口上、『スサノオ』、パレードの稽古の模様をていねいに追います。合間に飛鳥組長、初舞台生ライン・ダンス振付の若央りさ(OG。今回ショーの振付は全員卒業生)、朝海ひかるのコメントが入り、衣裳をつけた本番同様の舞台稽古風景も細かく放送されます。今年は初日前日の4月1日に90周年記念式典が行われ、式典とともに『タカラヅカ・グローリー!』のプレビューが行われました。初舞台生は式典にも参加していて、本公演に加えてこの稽古もあったのですね。式典の稽古と本番の映像ももちろん見られます。 そして4月2日、いよいよ公演初日です。初舞台生のロケット・ダンス、90名の大ロケットがフルで流れ、そして飛鳥組長、主演男役・朝海の初舞台生へのメッセージをはさみ、パレード映像、最後に初日の口上が放送され、番組は終了しました。ここで初舞台生全員の顔がアップで映り、芸名がテロップで紹介されてました。組長によると「真面目。おっとり」という90期生、これからの活躍が楽しみになりました。
初舞台関連で放送されたのが、宝塚アーカイブス「初舞台」。アーカイブスはいつもながらタカラヅカの歴史がよくわかる目から鱗の番組で、これによると同期全員がいっせいにお披露目をするというのは戦後、’46年(昭和21年)から。映像は’81年の『宝塚春の踊り~花の子ども風土記』からが放送されました。このころは、春は『春の踊り』が恒例で、口上もピンクの着物におかっぱ頭姿。このときの初舞台生には涼風真世、真矢みきなど。’83年『春の踊り~南蛮花更紗』もピンクの着物での口上。このときの初舞台生には麻路さき、高嶺ふぶき、久世星佳がいて、よーく探すと顔がわかりますよ。初舞台生のライン・ダンスといえば振付家の故・喜多弘ですが、’64年の『花のふるさと物語』(汀夏子、鳳蘭が初舞台。映像が見られます)から始まり、亡くなる2年前の’97年の『ゴールデン・デイズ』まで18本を振り付けているとか。喜多振付のライン・ダンスも含め、合計11本(プラス’86年「愛読者大会」で再現された白井鐵三によるタカラヅカ最初のロケットの再現)の初舞台生映像が見られます。現在のスターたちの顔を探し出すという楽しみもありますね。
宝塚アーカイブス「初舞台」と微妙にかぶるのが、宝塚こだわりアラカルト「ロケット」。ロケット、つまりライン・ダンスを、たてつづけに22本も並べた番組で、初々しい初舞台生ロケットから上級生参加の成熟した大人のロケットまで、たっぷり堪能できます。私がとくに楽しかったのが、まず’94年の第80期初舞台生のロケット。作品は花組『火の鳥』で、雛鳥を思わせる白と黄色の衣裳が可愛らしく、私たちは「雛鳥のロケット」と言ってましたね。謝珠栄の振付が、多様なフォーメーション、ジャンプと新鮮で、記憶に強く残っています。このとき初舞台を踏んだ生徒は、霧矢大夢、鳴海じゅん、彩吹真央、千ほさち、朝澄けいら。霧矢のジャンプが見られますよ。また、湖月わたるが長く美しい脚を披露しているのが、’01年雪組の『パッサージュ』。退団公演だった蘭花レアがジャンプを決めています。湖月は’99年の宙組『ザ・レビュー’99』でも金色のダルマ姿で脚を見せ、大ロケットのリーダーをつとめています。この『ザ・レビュー’99』は花組でも連続上演され、こちらでは楓沙樹が、宙組と同じ振付のロケットをリードしています。こう書いていくとキリがなく、5月にも放送があるのでぜひ放送を。しかしまとめて見てみると、振付、音楽、衣裳、一口にロケットといっても本当にバラエティに富んでいるなと、実感しました。
新主演男役、初舞台生と、フレッシュな顔ぶれが並んだ番組をチェックした今回の番組チェック、いかがでしたか? 5月のスカイ・ステージも、『傭兵ピエール』、『満天星大夜總会』の東京・千秋楽映像や和央のドラマシティ作品『Crossroad』が登場する宙組特集、なつかしい『彷徨のレクイエム』、『南の哀愁』、『白夜伝説』、『スナイパー』など、見どころがいっぱい。5月31日には、東京初のスカイ・ステージ・トークSpecial「湖月わたる・汐美真帆・立樹遥」があるし、次回はどうしましょうか、迷ってしまいます。どうなるか、楽しみにお待ちください。それまでごきげんよう。MKでした。 |
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■カウントダウン特集バックナンバー(2001年4月17日~2001年7月1日) |
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