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![]() ![]() もう本当の年の暮れですが、みなさんお元気ですか? 今年最後の番組チェックは、12月の『ベルサイユのばら』10作品一挙放送関連で行ってみしょう。私、MK、ぐずぐずしていると年越しそうなので、前回から立て続けになりましたが、がんばってみました。この一挙放送、昭和と平成、そして2001年の『ベルばら』10本が見られて、いやあ、おもしろかったですね。私がリアルタイムで劇場で見たのは平成『ベルばら』からでしたが、見直してみると熱い!昭和の『ベルばら』はさらに熱い!熱い!こうやってまとめて順番に見ると変遷もわかり、そういう意味でも興味深かったです。 そこで取りあげたいのは、その昭和と平成、21世紀のベルばらスターが出席して行われた「スカイ・ステージ・トークSpecial『ベルサイユのばら』特別編」と、「『ベルサイユのばら』Check It Out!」。「スカイ・ステージ・トークSpecial」には歴代の『ベルばら』スターがきら星のごとく登場。苦労話、裏話も聞けて、楽しいひとときでした。「Check It Out!」は、作品事に放送された『ベルばら』豆知識の5分番組。総集編も流れ、今回はこれで見直しましたが、マニア心をくすぐる内容はまとめてみるとさらに圧巻。役替わりなどレア映像も見られ、たっぷり楽しめました。
まずは「スカイ・ステージ・トークSpecial『ベルサイユのばら』特別編」から。'03年12月8日宝塚ホテルでの収録で、放送は12月中旬からでしたが、ゲストが豪華。初風諄、榛名由梨、鳳蘭、大浦みずき、そして現役の月組・彩輝直で、昭和、平成、21世紀版のメインキャストが一同に集まった感があります。一挙放送を見たあとだったので、とくに初代マリー・アントワネットの初風、初代オスカルでアンドレも演じた榛名、極めつきフェルゼンの鳳蘭という昭和キャストの、今でも大きな存在感と貫禄は格別でした。現役の彩輝はもちろんのこと、平成の「踊るフェルゼン」で人気者だった大浦も負けそうな、特大のオーラです。 入場、挨拶とつづき、出演したときの思い出話に。印象的だったのは、'74年月組初演メンバーの初風と榛名が口を揃えた、原作のイメージを崩してはいけないというプレッシャーの大きさ。池田理代子の原作は当時すでに大ブームを呼んでいましたから、いかにその絵のイメージ通りに化粧をするか……生身の人間ですから目に星を飛ばすわけにもいきません。アントワネットを演じた初風は、演出の長谷川一夫から王妃らしい仕種を指示されました。「ふだんがさつなもんですから(笑)、長谷川先生に、あ!痛い!!っていうのではなく、(目を伏せてしおらしく)い・た・い〜、というような王妃さまを演じてごらんなさいというヒントを頂きまして、それからふだんから動きも静かに、素麺を頂くにも(少しずつ)チュルチュルチュル(笑)としていました」。榛名は原作ファンからの「イメージを壊すな」という過激な脅迫状が怖かったそう。従来からのタカラヅカファンは、楽しみにしていますと言ってくれたのですが。カツラも当時は金属製の台に毛を植えた金ガツラ。セットも難しくて一度踊るとペタンとなってしまう、化粧前に原作の絵を置いてそれを見ながら必死に化粧……そんな苦労が実り、幕を開けると大ヒットし、社会現象とまで言われるようになりました。ファン気質も「ベルばら」以降変わったそうで、鳳は3作目の’76年、星組の「ベルサイユのばら・」からの参加ですが、すでに大ブームとなっていてファンの勢いがすごく、毛皮のコートの毛が楽屋入りと出1回でむしられてしまってはげたと、笑わせます。
たしかに作品を見ていても、その当時の勢い、熱気はすごいですね。考えてみれば原作がブームになった'70年代初頭は、'60年代末期からつづいた70年安保、学生運動の熱気がまだ冷めやまない時代。革命話が絵空事でない時代感覚がありました。また女性の社会的地位はまだ低く、池田理代子の原作はそんな時代感情を映していて、当時の女性たちは肩ひじを張りながらも男性に互してがんばるオスカルに感情移入したのでしょう。だからこそ昭和のベルばらは、出演者も観客も含めて、社会現象と言われるほど大きく燃えたのでしょうか。見ていて、その熱気に圧倒されました。 平成のスター大浦は、初演時代にすでに入団していて、2年目の雪組時代、新人公演でフェルゼンをやったことがあります('76年・アンドレとオスカル編)。大きな役をやったことのない下級生時代、「出ていった瞬間にお子さまフェルゼン」で、’90年花組フェルゼン編でフェルゼンは「リベンジ」。「とにかく大人のフェルゼン」を心がけたとか。大浦のフェルゼンは「踊るフェルゼン」と言われますが、大浦によるとこれは「踊るアントワネット」でもあり、アントワネットとのデュエットダンスは、スカートが大きくて側に寄れず、手を伸ばしてかろうじて触れるくらい、そんな大変さがありました。そして大浦に限らず平成のベルばらスターたちは初演の熱気を知っている世代。初演に下級生時代に経験しているか、または初演が入団の動機になっている人がほとんどです。 そして2001年宙組のオスカル&アンドレの彩輝は、初舞台が平成の花組『ベルばら』で、月組に配属後の2年目、'91年オスカル編の東京新人公演で1幕のアンドレを演じています。その彩輝が約10年たって本役で、水夏希と役替わりでアンドレとオスカルを演じたのですから、伝統はこうやって引き継がれていくのですね。番組後半にビデオ出演している水も、平成の雪組・アンドレとオスカル編を見て「即効受験を決めた」と言っていますから、『ベルばら』には、生徒の動機づけに大きな力があるようです。
つづいて映像を見ながらのおしゃべり。一同思わず見入ってしまう場面もありましたが、初演のアントワネット登場を見て榛名が「このときアントワネット(初風)とオスカル(榛名)は、痩せる先生のところに行かされてたんです。演出家命令で」と爆弾発言。そばで初風が顔を伏せて笑います。これは、あとから参加した演出家植田紳爾の、最初からアントワネットは初風と思っていたが、「肖像画とかを見るともっと細くて、楚々として、薄幸の美女であるべきだと思ったんで、初風に『もっと痩せないとアントワネットでけへんぞ!』って言った」という発言で裏付けられましたが、整体の先生から「あの方があれ以上痩せたら、あの声は出ませんよ」と言われて取り消したとか。 次は、映像によるビデオメッセージ。平成の『ベルばら』で星組と花組のオスカルを演じた安寿ミラは、原作のオスカルのファンで、学生時代下敷きにオスカルの絵を入れていたほど。「オスカルがあるから今の私がある」と言います。彼女のオスカルはたしかに、今まで見たことのない目の覚めるような清新さがありました。つづいて2001年星組・オスカルとアンドレ編に出た稔幸と星奈優里が登場。稔は結婚して表だった芸能活動をしていないので、久しぶりのめずらしい映像。そして、前述した水の登場。平成の雪組公演で、倒れたオスカルにアンドレが呼びかける天国のシーンを見てグッときて受験を決意したとは、初耳でした。
ここで植田紳爾が登場し、初風、鳳とともにトーク。亡くなった寺田瀧雄をはじめとしたスタッフへの感謝、これからの抱負などを語ります。さらに名シーンをリーディングの形で再現。初風アントワネットと大浦フェルゼン、鳳フェルゼンと彩輝オスカル、榛名アンドレと彩輝オスカル、大浦フェルゼンと初風アントワネットなど、たっぷりと堪能できます。最後は榛名の「シトワイヤン、行こう!」、初風の「私はフランスの女王なのですから」の名セリフで締めとなりました。初風の転がすようなセリフ回し、榛名の力強さ……やはり、昭和のスターさんたちは存在感がある! 最後は歌です。大浦の「愛の面影」、彩輝の「愛の巡礼」、榛名の「心の人オスカル」、初風の「青きドナウの岸辺に」、鳳に初風がからみ「愛あればこそ」と、おなじみの曲がたっぷり。視聴者からのクエスチョン&アンサー、プレゼント抽選、挨拶で、2時間に渡るトークショーは終了しました。 さて「『ベルサイユのばら』Check It Out!」です。若者に人気の劇作家で劇団主宰者でもあるわかぎえふさんの軽快な語りで進行するこの番組、曰く「『ベルサイユのばら』のちょっとしたツボやとっておき話を、おいしいとこどりでお送りする」もの。一挙放送の際におまけのように放送した5分番組で、全部で10本。総集編も流れましたが、これがなんともマニア心をくすぐる豆知識と映像がいっぱい。テーマ別にざっと紹介しましょう。
(1) いろいろ恋模様……オスカルとアンドレ、アントワネットとフェルゼンの両カップル。出演者の変遷が、映像でつづられます。 (2) 変貌する「今宵一夜」…… 有名なラブシーン。オスカル家の居間で行われたと思いきや、'74年月組では幕前なのですね。翌年'75年の花組で居間が登場し、以降居間が型となりました。ところが’76年星組では庭で、しかも昼間!! (3) あの人が小公子……新人の登竜門となっていますが、順を追ってみると髪型、歌詞などいろいろですね。平成からは小公女の役割も大きくなっています。 (4) 新人公演チェック……平成以降の新人公演の主要キャストがずらり。めずらしい映像がいっぱいです。 (5) レアものシーン……ある特定の公演だけの貴重なシーンです。たとえば'76年星組の国王一家逃避行場面に本物の馬が登場しているとか。ドレス姿のオスカルも見られます。 (6) 役替わりと特別出演……アンドレ、オスカル、フェルゼンの、役替わりと特別出演の映像集。大浦のアンドレ、紫苑ゆうのオスカルなど、見る機会の少ないレア映像も。 (7) ここが違う……30年にも渡る公演ですから、同じだけど微妙に違うシーンがあります。たとえばアンドレが死んでオスカルが絶叫するあのシーン。橋が回ったり、瀕死のアンドレが「心の人オスカル」を歌わずにセリフで言うバージョンもあるのですね。 (8) 「行こう!」一挙放送……バスティーユに向かって「シトワイヤン、行こう!」と絶叫するオスカル。その魂の叫びをひたすら放送。'90年花組は真矢みきと安寿、'01年宙組は彩輝と水の2バージョン。 (9) クイズ・ここが違う……微妙だけどここが違うというシーンをクイズ形式で。 (10) フィナーレ名場面集……さまざまなフィナーレの、文字通りの名場面集。
どうですか? おもしろそうでしょう? 短い時間に内容がギュッ。ぜひ再放送してほしいなと、個人的には思いますね。 さて、次回はもう'04年。宝塚歌劇団は創立90周年を迎えます。1月1日、元旦には花組『エリザベート』の、一度だけの放送が実現。また1日には大劇場花組公演初日の生中継と5組の主演コンビの90周年記念口上、2日には東京宝塚劇場の宙組公演初日の生中継と大劇場公演中の花組を除いた4組の主演コンビの口上が放送。それ以外にも轟悠、春野寿美礼、紫吹淳、朝海ひかる、湖月わたる、和央ようかの超豪華座談会などおもしろそうな番組がめじろおし。『エリザベート』につづき春野のクールな魅力が発揮された『不滅の棘』が早くも登場しますし、香寿たつきと渚あきの退団公演『ガラスの風景』・『バビロン』の大劇場千秋楽映像も楽しみです。これには退団挨拶とサヨナラショーがついているのですよ。また80年代のショー、伝説的な名場面がいっぱいの『メモワール・ド・パリ』は、最近ファンになった方にぜひ推薦したい秀作です。どれを取りあげようか迷っていますが、お楽しみに。 今年はご愛読ありがとうございました。来年もまたよろしく。MKでした。 |
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■カウントダウン特集バックナンバー(2001年4月17日〜2001年7月1日) |
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