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![]() ![]() 相変わらず寒い毎日ですが、ぽかぽかとした日差しに春の気配を感じる毎日です。皆さまお元気ですか? お久しぶり、M・Kです。それにしても今年のインフルエンザはすごかったですね。私の回りにも犠牲者がいっぱい出ました。私は、インフルエンザではありませんが風邪をひいてしまい、未だに鼻声が抜けません。どうも花粉症も混じっているようで、この原稿もティッシュ片手に書いています。色気のない話ですが、花粉が飛び始めたということは、つまり、春はすぐそこまで来ているのですね。 ファンの目でタカラヅカ・スカイ・ステージの番組をチェックする「番組をチェック!」も13回目。今回は、2月そして3月半ばくらいまで放送される、昨年の花組公演「琥珀色の雨にぬれて」、「Cocktail」宝塚大劇場千秋楽の舞台映像を取りあげましょう。千秋楽映像はスカイ・ステージオリジナル。スカイ・ステージだけで見られる貴重なものです。しかもこの公演は、昨年惜しまれつつ退団した花組トップ・匠ひびきのサヨナラ作品で、匠が大劇場に別れを告げた日の舞台がテレビで見られるのですから、見逃せません。「Cocktail」には、匠のサヨナラショーと退団挨拶がついています。
この公演は、みなさんご存じのように、そして匠自身が挨拶で言っているように、匠は故障をおして出演、壮絶なまでの熱演を見せています。だから、見られるのはうれしいけど、複雑な思いもわいてくるのです。匠は、その後東京公演をほぼ休演し、復帰もショーの一部だけでしたから、「琥珀」に関してはこの舞台が最後でした。 まず「琥珀色の雨にぬれて」について。この作品は、私にとって伝説の舞台でした。というのもファンになりたてのころ、ある先輩ファンの薦めで「琥珀」のダイジェスト放送をテレビで見て、タカラヅカにはこんな大人の舞台もあるのかと、この作品がいっぺんに好きになってしまったのです。1984年花組公演で、当時のトップ高汐巴がクロード、トップ娘役若葉ひろみがシャロン、二番手大浦みずきがルイ。三者が織りなす恋愛心理ドラマにすっかりはまってしまい、生の舞台を見たかったなあと、非常に残念な思いをしました。とりわけ印象的だったのは、エヴァ(美野真奈)がジゴロの面々を率い歌い踊るシーンで、朝香じゅん、瀬川佳英、磯野千尋たちのジゴロが色濃く、キザでカッコよかった! だから、今回、花組で再演されると聞いて、うれしいのと同時に、初演のキャストがあまりにもドンピシャリでしたから、今の花組メンバーで大丈夫かなという懸念も、正直ありました。とくにダンサー匠には、主役クロードより、名ダンサーだった大浦にはめたルイの方が似合うように思われ、タカラヅカのシステムでは仕方がないとはいえ、いっそのことルイを主人公にした別バージョンはどうかとさえ思ったものです。
しかしわからないもので、その匠のクロードがよかったのですね。クロードの不器用で純粋というキャラクターが、匠自身のいつも全力投球、直球勝負という資質にはまり、クロードそのものに見えたのです。匠は正直いって、それほど器用なタイプではありません。得意のダンスも、脚を挙げるときはまっすぐに上げ、回るときは一生懸命に回るという直線的なタイプです。そのまっすぐさ加減がクロードに重なって魅力となったのですから、芝居とは不思議なものです。そして春野寿美礼は、柄違いともいえるルイを色濃い存在感で作り上げ、演技功者ぶりを発揮。そしてシャロン。シャロンは、退廃と、風のような妖精のような浮遊感の両方が必要な難役です。大鳥のシャロンは、大人の美しさという点では完璧でしたが、霞を食べているような非現実感というより、自由気ままと歌いながらも現実のしがらみに縛られている、生活者としての側面が感じられました。大鳥シャロンで印象的だったのは、フランソワーズの出現によりクロードに愛想づかしをするシーンで、母性的ともいえる愛がにじみ出ていました。 今回、実際の舞台を見て好きになったのは、冒頭のタンゴの場面でしょうか。花道から本舞台へ、本舞台から後方へ、押し寄せては引く白と黒のタンゴの波には、陶酔感さえ覚えたほど。手首を上げて腰を落とし、顎を上げる振付も斬新で、このシーンは何回でも、何十回見てもあきないだろうなと思いました。
さて、ショー「Cocktail」は、匠の魅力を最大限にいかして、元気に送り出そうという、作者・藤井大介の気概が感じられるショー。匠が踊りまくり、大鳥が明るく元気にがんばり、春野が美声を聞かせます。サザンや長渕剛のJポップが多用されていますが、耳慣れた曲の割にタイトルがわからない私。好きなのは、まず、ムーランルージュの匠と大鳥のかけあいとカンカン。酔っぱらって床に倒れ込み、男たちに担がれる大鳥。「お酒がなければ、生きてはいけない……」なんて歌い、それがキュートなトップ娘役ははじめてです。やはり退団組の楓沙樹と、名ダンサー鈴懸三由岐が、矢吹翔のジャジーな歌で、アクロバット的に踊る場面も印象的。そして随所にあらわれ、色っぽく匠に絡む娘役ダンサー、舞風りら、舞城のどから(「琥珀」でも活躍)、タブーの歌手絵莉千晶も強い印象を残します。匠と男役たちの黒燕尾のダンスなど、名場面の連続で、本当に楽しいショーです。 最後は、大きな大きな白い羽根を背負って、匠が登場。涙声です。階段を降り、銀橋に歩を進め、本当に大変だったろうに、匠は微笑みを絶やしません。脇で見守る大鳥が、やはり白の大羽根を背負い、笑顔を見せています。大鳥は次回作「エリザベート」で先日退団しましたが、「エリザベート」のフィナーレでは羽根なしですから、大鳥の大羽根姿はこれが最後だったんですね。
そしてサヨナラショー。男役を従えた大階段上での「ザ・ビューティーズ!」より”アナザースター”で幕が開き、「白い朝」、「トム・ジョーンズの華麗なる冒険」、「カナリア」と主演作の歌がつづき、大鳥とのデュエット、「Asian Surise」の場面、「チャンピオン!」よりソロダンス。花組全員と「チャンピオン!」の主題歌で幕となります。そのころになると、こらえきれなくなったのか、匠の目元に涙が光ります。励ますように微笑む、大鳥をはじめとした花組メンバーたち。感動のうちに幕が締まり、退団挨拶に。紋付袴姿で、階段を降りる匠。涙が流れています。そして「3日前から脚が動かなくなりました」から始まった挨拶。会場にどよめきがおきます。涙は止まりません……しかし、やり遂げたという満足感からか、笑顔はさわやかです。鳴りやまぬ拍手と声援。いったん閉まった幕がまた開き、「幸せでした!」と言いきる匠でした。
この公演の退団者は、匠のほかに5人で、貴月あゆむ、楓沙樹、達つかさ、鮎川なつき、桜花れいや。3月1日以降の放送では、全員の挨拶付きのバージョンが放送されるとか。これも楽しみです。 そして3月中旬からは、今度は同じ「琥珀色の雨にぬれて」「Cocktail」の東京宝塚劇場公演・千秋楽の舞台映像が放送されます。これで代役としてクロードを好演した春野寿美礼、ルイの瀬奈じゅんらの「琥珀」を見ることができるわけです。そして「Cocktail」では、復帰した匠の姿も。これはこれで、やはり見てみたいものです。 さて次回は、3月23日「ガラスの風景」、「バビロン」東京宝塚公演千秋楽で退団する、星組トップコンビ、香寿たつき・渚あきの特集番組を取りあげる予定です。「Memories of 香寿たつき」と、スター・ロングインタビュー「渚あき」。二人の退団を控えた心境をお伝えできたらいいな。 3月のスカイ・ステージは、ほかにも「ガイズ&ドールズ」の舞台映像がテレビ初登場するなど、見どころいっぱい。いよいよ目が離せませんね。 |
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■カウントダウン特集バックナンバー(2001年4月17日〜2001年7月1日) |
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