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![]() ![]() 寒さもグッとゆるみ、梅の花も真っ盛り。もう春だなあとほっこりしているMKですが、今度は花粉症の季節。今年は花粉が少ないそうでだいぶ楽ですが、それでも鼻をクシュクシュさせながらパソコンに向かっています。ほぼ1か月ぶりの登場ですが、みなさまお元気ですか? さて今回は、昨年秋から冬にかけて行われた、TAKARAZUKA SKY STAGE開局1周年スペシャル記念のコンサート、初風緑コンサート『Carmine−カーマイン−』と、樹里咲穂コンサート『JUBILEE-S』を取りあげましょう。初風と樹里といえば、スカイ・ステージの特別番組などで軽妙な司会も見せてくれる、おなじみの専科スター。初風は宙組、樹里は雪組のメンバーとともに開いたこのコンサートは、二人の男役としての成熟した魅力とエネルギッシュな若さの両面がたっぷり盛り込まれ、楽しさいっぱい。それをスカイ・ステージのオリジナル映像で見られるというのですから、たまりませんね。しかも東京公演(日本青年館大ホール)の千秋楽、挨拶付きですから、ファンとしては必見! 樹里のコンサートに関しては、1、2月放送のものとは編集が違うRemix Editionが3月放送ということで、アングル違いの映像がたっぷり盛られたこのバージョンを、いち早くレポート! では、行きますよ!
まずは初風緑コンサート『Carmine−カーマイン−』から。11月に新神戸オリエンタル劇場、12月日本青年館大ホールで行われた公演で、収録は12月4日の日本青年館千秋楽。構成・演出は草野旦。共演は宙組の、初嶺磨代、美風舞良、遼河はるひ、速水リキ、彩乃かなみ、天羽珠紀、悠未ひろ、珠洲春希、十輝いりす、和音美桜、咲花杏、凪七瑠海の12名です。 タイトルの「カーマイン」とはプログラムに寄せた草野旦によると「真赤な絵具」だそうで、そう言われれば初風のイメージとして「赤」はドンピシャリですね。素顔はスッとしたきれいなお姉さん系なのに、男役としては濃い!初風。常にテンション高く、エネルギッシュで、情熱、ラテン、血の色、太陽がぴったり、ときには妖しさも……そんな魅力を色にたとえれば、やはり「赤」なのでしょう。初風本人も「大好きな色。芸名を”初風赤”とつけたかったくらい」と、番組中で言っていました。 第一部は「赤色夢」。闇の中にスポットが当たり、当然ながら赤の、それもいかにもタカラヅカ的なデコラティブな衣裳の初風が、脚をスッと上げつつボンゴを叩くところ(振りですが)から始まります。まずこのボンゴを叩く様子が、ちょっと気障で、しかし真剣で、本当に初風らしいのですね。そういえば前のコンサート「愛・舞・魅」でも即興でピアニカを弾く場面があって、これも初風らしいなと思ったことがあります。真摯なこっけいさとも言うのでしょうか、楽器とからむと、その一生懸命さゆえか、魅力を発散する人です。やはり赤い衣裳の男役とともに群舞になり、さらに娘役が加わり、オリジナル曲”Carmine”に。3階建ての黒い装置に赤い字で”Carmine”。豆電球の白が光ります。中段に生バンド。この黒の装置はその後も、赤、そして白やゴールドといった衣裳の色を浮き上がらせて、効果的でした。続いてメンバー紹介で、下級生順に踊りながら一人一人自己紹介。最下級生、入団1年目の凪七瑠海が、可愛らしい声でご挨拶。名前と顔と声、しっかり覚えましたよ。そして初風が「カーマイン、それは赤。ローズ系でもなく、オレンジ系でもなく、深い赤……体の中にある熱いもの、それがカーマイン。その情熱を思い切りぶつけて、みなさまとともに楽しみたい」と挨拶。続いて「大好きな曲」という”Lenay Fuego”(一枚の赤い絵)をドラマティックに、風景が見えてくるような説得力で歌います。ここまでがプロローグ。
赤いドレスの彩乃のソロで始まるのは、赤い宝石をめぐる泥棒ゲーム「BOND」。泥棒、スパイということで、”ゴールド・フィンガー”など007、ジェイムス・ボンド・シリーズの映画主題歌が並びます。赤い宝石を盗んだ女盗賊・彩乃から、白いスーツのBOND(初風)が宝石を奪い、ドレス姿の男役(!)、初嶺、悠未、珠洲、十輝、凪七の誘惑に浮き浮きしているところを再び彩乃に奪われるが、そこにダークスーツの遼河が登場。実は刑事で彩乃はあえなく逮捕というオチがつきます。そして「赤い誘惑」。懐かしや! ”ピーター・ガン”の登場です。昔、花組で、大浦みずきたちがジャケットの赤い裏を見せながら踊った格好いい男役の群舞がありましたが、今回は初風が真っ赤なスーツとソフト帽で気障に踊ります。手脚の伸ばし方、目線の飛ばし方一つにも、こっくりした男役芸が生きていて、さすがです。 次は「赤い季節」。黒いドレスの彩乃が”ジュテーム”と愛を歌い上げたあと、シャンソンの名曲で、少年時代、思春期、新婚のそれぞれの恋。倦怠期の中年夫婦の愛では、初風が紫のドレス姿で登場し、遼河の夫と争います。少年期の白から、思春期の淡いオレンジ、新婚のブルー、中年の紫&紺と、年齢により濃くなっていく衣裳の色彩設計が見事です。そして老年の恋。グレー、茶系の衣裳で、初風じいさんと彩乃ばあさんのカップルと、初嶺じいさんの三角関係が描かれますが、初嶺が恋していたのは実は初風だったというオチが。出演者全員にソロがあり、日頃なかなか聞けない下級生の歌声に、ちょっと得した気分です。
次は「ボレロ」で男役たちがボレロを踊ったあと、「スペイン物語」に。マタドール・初風がライバル闘牛士・速水を失い、その死を嘆くドラマティックな場面で、黒の豪華なマタドール姿、説得力のあるダンスと陰影に富んだ歌唱。堪能しました。ここまでが第一部。ドラマ性のある見応え十分な構成でした。 第二部は「夢に見た人々、街々」。赤のイメージがある国や街を、歌と踊りでめぐるヴァラエティ形式。「ニューヨーク」のジャズメドレー、「イタリア」、「トルコ」、「アフリカ」、「ウィーン」、「アルゼンチン」、「ブラジル」と続くのですが、印象的だったのはまず「アメリカ」のジャズ。黒の飾りつきタキシードの初風が”ニューヨーク・ニューヨーク”などのおなじみのナンバーを粋に歌い、そこにトランペットなどのバンドメンバー(男性)が舞台前面に登場。楽器との掛け合いでノリは最高潮に。やはりガイチさん(初風)には楽器が似合う! 舞台全面にライトが点くと、そこはイタリア。メンバーが黄緑色の衣裳で板づいていて、初風はジャケットを脱ぎ、白のシャツ姿に。”OH! SOLE MIO”、”Volare”を明るく歌います。「トルコ」は彩乃、悠未中心で”コーヒー・ルンバ”など。珠洲の極楽鳥が長い脚を上げる「アフリカ」の次は「ウィーン」。白ブラウス、白パンツ、ブーツ、ロングの金髪で登場した初風は、一瞬オスカル? 今まであまり見たことのない王子さまルックで、これも新鮮ですね。彩乃と優雅にデュエットを踊り、本当に守備範囲が広い! ビリヤードのキューを持って踊る振付が粋でアダルトな「ブラジル」。一転して全員が歌いつぐ、元気のよいラテンメドレーになるのですが、ジーンズ中心の衣裳がタカラヅカのラテンのイメージを裏切って、なかなかでした。そこに客席から初風が登場。やはりこの人にはラテンの陽気な雰囲気が似合います。バンド紹介のあと、全員で盛り上がります。
そして「ラスト・ソング」。ピンクの衣裳の初風が「いつまでもこの愛を抱きしめたい、大好きな夢を抱きしめたい」と歌うと、目には涙が。黒燕尾、黒と赤のドレスのメンバーの合唱のあと、黒の飾り燕尾の初風が”Carmine”を歌います。そして白い羽根を肩に再登場し、まずスカイ・ステージでの放送を告知。そしてメンバーを呼び、「宝石箱にまた宝石が増えた」と挨拶。最後に「あなたへ」をしっとりと歌い、幕となりました。 しかしそれだけでは終わらないのが、千秋楽。カーテンコールの幕が開き、初風は「タカラヅカが大好きでずっと走りつづけてきた……タカラヅカに入って本当によかった」と涙ながらに挨拶。「まだまだやりたりないことがいっぱいあるので、これからも自分の夢を叶えるために、一歩一歩、一生懸命にがんばっていきたいと思います」と言う初風に、大きな拍手が沸いていました。メンバーへの感謝の言葉の次に、遼河、そして彩乃が一言ずつ。幕は何回も開き、初風は涙だらけ。感謝の言葉をくり返しています。「タカラヅカ最高! まだまだがんばります!」と言う初風、「本当にタカラヅカが好き」という真情がひしひしと伝わってきて、感動しました。
次は樹里咲穂コンサート『JUBILEE-S』です。このコンサートは、新神戸オリエンタル劇場、日本青年館大ホールで行われたもので、放送は日本青年館の千秋楽、10月16日の映像です。構成・演出は藤井大介。共演は雪組の、麻愛めぐる、牧勢海、聖れい、舞咲りん、鳳稀かなめ、緒月遠麻、晴華みどり、沙央くらま、早花まこ、大湖せしる、純矢ちとせ、大月さゆの12名。 今回の放送は、以前に放送されたものと少し編集が違い、Remix Editionというのですが、そのRemix Editionとはなんだろう、というのがまず浮かんだ疑問。みなさんもそう思うでしょう? しかし実際の映像を見て、この疑問はすぐ解けましたね。とにかく樹里!樹里!樹里!まるでオペラグラスをのぞいているような感覚です。また、普通は正面から撮った画面がほとんどのところ、最前列からとか斜め横からとか、アングルが違う画像が多用されていて臨場感がアップ、まるで最前列で見ているようでドキドキものです。さらにこの公演、メンバーの工夫でギャグが1回ごとに違っていたらしいのですが、いくつかのシーンについてはRemix Editionは千秋楽のお昼の公演が入っています。これは見逃せません。
Remixの説明はこれくらいにして、内容ですが、樹里といえば、底抜けに明るいエンタテナー。歌も踊りもOKな陽気なコメディエンヌ。もちろん二枚目だっていける。ということで構成・演出の藤井大介は、ストーリー仕立ての、ミュージカル色の強いショーに仕上げています。藤井によると”JUBILEE”とは”歓喜”という意味だそうで、そこにスペシャルや咲穂の”S”をつけ、”歓喜の神”というイメージでタイトルをつけたとか(『歌劇』’03年10月号)。ニューヨークのギャングである現代の青年が組織に追われて逃げ、不思議な扉をくぐると、そこは禁酒法時代の1923年。そこでさまざまな人に出会い、なにかをつかんでまた現代に戻るというのが大まかな筋です。1923年の世界で青年・J-BOY(樹里)は寂れたクラブ、ライムライトに迷い込み、そこで仲間と出会い、スターとなるのですが、第2幕はそこでくり広げられるショー形式。樹里のエンターテイナーぶりがたっぷり味わえます。
とにかく第1幕、第2幕ともテンポがよく、樹里のさまざまな魅力が楽しめるのですが、それにもまして感じたのは、アンサンブルのよさ。芝居形式ということもあり、共演者とのからみ、呼吸が合っていなければおもしろさは半減するところ、みんながんばっていましたね。とくに今回のメンバーは下級生が多く、樹里以外は、入団9年目の麻愛が最年長。牧瀬と聖が7年目。晴華と沙央が3年目、2年目、1年目がそれぞれ2人ずつという陣容ですが、その下級生たちが作品にくらいついている様子が見てとれ、頼もしかったです。これも樹里の求心力のゆえでしょうか。セリフがはじめて、ソロの歌もはじめてというメンバーもいて、もちろん技術的にはまだまだと感じられる場面もありましたが、そのがんばりには感心しました。 みんなすばらしかったのですが、樹里は別として、印象に残った人を何人か挙げると、まずは牧瀬でしょうか。J-BOYをタイムトラベルに導く白髪の老人ミスターX。一種の妖精ですが(この設定、劇場に住む妖精が出てきた、藤井の処女作『Non-Stop!!』を思わせます。そういえば『Non-Stop!!』には樹里も出ていて、コメディエンヌぶりを発揮。テクニカルなダンスと歌も忘れられません)、温かな存在感を発揮していて、ダンスが得意なのは知っていましたが、この人にはこんな魅力があったのかと再確認。それがこの公演で退団とは、まことに残念です。次は乗っ取りを謀り、ライムライトに乗り込む地上げ屋ミス・ファインの晴華。前途有望な娘役だけにあっぱれなはじけっぷりです。資質的には二枚目の鳳稀のおおらかなずっこけぶり、緒月のとぼけたキャラクターも印象的でした。第2部の頭に登場する前説の4人、聖、沙央、緒月、早花。懸命な工夫は勉強になったことでしょう。
樹里の圧巻は第1幕のラストの”ニューヨーク・ニューヨーク”でしょう。外部出演した「SHOCK」で評判をとった歌を、本拠地タカラヅカで再現して、圧倒的でした。第2幕のスカーレット・ウーマンで見せてもらった美しい脚も忘れられません。それ以上に印象に残ったのは、自分以外信じられなかったJ-BOYが他者との関わりの中でなにかを掴んでいく、その過程に見せるナイーブな表情。コメディエンヌ樹里は、演技者としても確かです。 JUBILEE、歓喜の神たちのショーで幕を閉じたあと、千秋楽ならではのカーテンコールが延々と続きます。樹里の「ありがとう!」と出演者一人一人への突然インタビュー(麻愛「本当に楽しかった!」、退団の牧瀬「一番の宝物ができました」、聖「アドリブに強くなった」、舞咲の目は涙でいっぱい「一緒に踊れてよかった」……書ききれません。残りはぜひ放送で)、客席下り、全員の「樹里さん、ありがとう!」コール、樹里の「このカンパニーで本当に楽しかったです!」、紙吹雪、スモーク、またカーテンが上がり、千秋楽の興奮は終わりません。
さて次回の番組チェックですが、3月21日は、いよいよ紫吹淳のラストデイ。スカイ・ステージでも、それにちなんで『シニョール ドン・ファン』東京千秋楽など、紫吹主演作品を大特集しています。特番「紫吹淳 いま旅立ちの時」も気になります。また湖月のお披露目ツアー公演作品『蝶・恋(ディエ・リエン)』、『サザンクロス・レビューIII』もぜひ見たい。懐かしい『ジャンプ・オリエント!』、『サマルカンドの赤いばら』、伝説の『忘れじの歌』もはずせませんね。卒業生の星奈優里のダンスドラマ『Winter Rose』も絶対。どれをチェックしましょうか、いろいろ目移りして困っています。ということですが、次回にはなにをチェックできるでしょうか? それまでごきげんよう! MKでした。 |
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■カウントダウン特集バックナンバー(2001年4月17日〜2001年7月1日) |
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