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![]() ![]() いよいよ3月。温かかったと思うと寒さが戻ったり、まだまだ油断ができない毎日が続いていますが、皆さまお元気ですか? それでもよく見ると、桜の枝には固い花芽がしっかりとついていて、やはり、もうすぐ春なのです。毎年思うのですが、春は駆け足です。気がつくとやって来て、アッという間に去っていく……。 春は卒業の季節でもあります。時間は流れて後戻りはできない、そんな思いにかられるこの季節、星組東京宝塚劇場公演「ガラスの風景」「バビロン」千秋楽で、星組トップコンビ、香寿たつきと渚あきが、タカラヅカを卒業します。そこで今回は、香寿の退団を記念した番組「Memories of 香寿たつき〜今、卒業の瞬間〜」と、渚あきの「スター・ロングインタビュー〜渚あき〜」を取りあげましょう。
「愛する人を残して、風に抱かれて、まだ見ぬ地平をめざす、旅の終わりは遠い」……宝塚大劇場の千秋楽、フィナーレで紫の大羽根を背負って大階段で歌う香寿たつきの笑顔は、とてもさわやかでした……「Memories of 香寿たつき」は、そんな千秋楽映像も含め、舞台中心に、香寿の17年間のタカラヅカ生活を振り返る番組で、初舞台の1986年星組「レビュー交響曲」のラインダンスから、花組の下級生時代、雪組、再び花組、またまた雪組、専科、そして星組時代と、数々の作品の名場面が映像で登場します。 まず懐かしいのは、’90年のバウホール公演「エル・アミーゴ」のシモン。下級生ながらしっかりしたダンスと歌、なにより芝居心の感じられるよい役者だなあと、香寿の名はこの作品で記憶に刻まれました。同年秋の「秋…冬への前奏曲」の少年カレルの絶唱も、忘れられません。 雪組に替わってからは、’92年「この恋は雲の涯まで」、「忠臣蔵」の両新公主役、そしてバウ初主演の’93年「セ・ラムール」、’94年「風に吹かれて」と好演が続きます。’95年「JFK」のフーバーは、単なる敵役にとどまらない奥行きのある人物像で、強烈な印象でしたね。’95年「あかねさす紫の花」の中臣鎌足にも通じる黒い魅力です。’96年の初演「エリザベート」では、柄違いかと思われたルドルフを熱演。魂が震えるような熱演でした。 再度の花組では、まず’97年「失われた楽園」のレスリー。特に、今回のアーサー真矢みきをピストルで撃つシーンの、俯瞰のアングルはすごい迫力ですよ! また、自殺する場面での眼も、見ものです。
そしてまたまた雪組へ。’97年「春櫻賦」の秋月数馬はフーバー、鎌足系の敵役。’98年にはバウ「凍てついた明日」のクライド、’99年には「ノバ・ボサ・ノバ」オーロと当たり役を連発したあと、’00年6月に専科へ。 専科時代の約1年、香寿は一役者として役に専念できるという環境を活かしきり、’00年、雪組「凱旋門」ボリス、月組「ゼンダ城の虜」ヘンツォ、「Jazz Mania」、そして’01年星組「花の業平」藤原基経と、八面六臂の大活躍。芝居ではどの役も香寿ならではと思わせるほどの存在感で、ショーでも大活躍です。 そして’01年星組へ。「ベルサイユのばら2001」でアンドレを演じたあと、11月16日、ついにトップの日がやって来ました。相手役に渚あきを迎え、「花の業平」では在原業平を演じ、ショーは「サザンクロス・レビューU」。香寿のナイーブさが役の業平とオーバーラップしたような、心のある舞台でした。次の’02年春「プラハの春」では、難しい主題の難しい役を実在感をもって演じきり、やはりこれも香寿ならでは。最後の’02年「ガラスの風景」は、暗い過去を持つ大人の男、ジョーイ・バクスター。眼差し一つ、差し伸べる手の一つが、自然でしかも説得力があり、男役香寿の集大成といえるでしょう。「バビロン」は、まず砂漠と大都会の摩天楼という組合わせが蠱惑的。香寿と運命の女・渚の出会いと別れ、白い鳩と黒い鳩……虚実不明なおもしろさがありました。
そしてCDの録音風景と写真集の撮影シーンでは、愛犬ルディーと戯れる姿や、雪の中での撮影風景など、女性らしい香寿の、可愛い素顔ものぞけます。そして番組のエンディングは、大劇場千秋楽・12月24日のサンタクロース姿での楽屋入り、本舞台、サヨナラショー、紋付き袴姿の退団挨拶、記者会見、パレードの模様で締めくくられます。 「スター・ロングインタビュー〜渚あき〜」は、今までのトップスター・ロングインタビューを衣替えして送る新シリーズ。その第1回が「渚あき」で、渚にとってサヨナラを記念する番組となりました。舞台映像を交えながら、持ち前のやわらかで飾らない語り口で、タカラヅカ志望の動機、初舞台の思い出、雪組時代、花組時代、そしてトップ娘役を務めた星組時代になどについて、率直に語ります。渚の魅力は初々しさ。どんなに学年を重ねても、おっとりと若々しく、声もキュートです。 しかしその「可愛らしい」渚がトップになってから大きく一皮むけ、大人の魅力を発揮しました。「花の業平」の藤原高子、「プラハの春」のカテリーナ、そして「ガラスの風景」のローラ、いずれも自分の意志をはっきりと持ち、それを実行するだけの強さをもった女性です。とくに「ガラスの風景」のローラは、ジョーイへの愛を自分から告白するのですから、タカラヅカとしてはかなりハードルの高い役。セリフよりもむしろ行間の表情や仕種で、愛の誕生、成就を表現しなければなりません。そのハードルを渚は見事にクリア。これも今までの積み重ねがあったればこそと、しみじみと思いました。 大人の女性の役を演じるにあたっての、渚のコメントが印象的です。 「大人の役をやるときに、(娘役として)今まで持っていたものを消すのではなくて、気持ちの中をクリアにしたい……舞台に立つ上で、心をクリアにしていたい、透明にしていたいと思って、いつも演じています」
今回の星組東京公演では、香寿、渚以外にも6名、計8名が退団します。主力メンバーも多く、本当に残念なのですが、スカイ・ステージでは、その夢輝のあ、秋園美緒、朝澄けいの退団特集番組「Farewell My Stars」も放送。各自のコメントをはさみながら、初舞台のラインダンス、代表作、そして「ガラスの風景」「バビロン」の大劇場公演千秋楽舞台、サヨナラショー、退団挨拶、パレード、最後にそれぞれの視聴者への挨拶という構成。貴重な新人公演映像もたっぷりで、見逃せません。とくに番組最後の視聴者への挨拶は、退団にあたっての率直な心境を語り、心にしみるものでした。
またほかに、香寿は「ヴェルサイユ展」トークショー、「トップスター・ロングインタビュー」の再放送、渚は、渚あきミュージック・サロン「Sincerely」、夢輝は主演バウ公演「イーハトーヴ 夢」、ディナーショー「feel」、香寿が初舞台を踏んだ1986年の「宝塚クロニクル」、朝澄けいが出演した「スカイ・ステージ・トーク」など、これまでに放送された番組の再放送もあるので、こちらもお見逃しなく。 さて桜の開花も間近。マフラーとも手袋とも、もうすぐサヨナラです。次は、なにを取りあげられるでしょうか。それまで皆さまごきげんよう。M・Kでした。 |
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■カウントダウン特集バックナンバー(2001年4月17日〜2001年7月1日) |
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