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![]() いやぁ梅雨ですね。毎日ジトジト降り続けています。もっとも今年は5月くらいからどんよりした天候が続いていましたが、本格的に雨の季節となりました。お日さまを拝めない、洗濯物が乾かない…。早く明けないかな。
さて今回の番組チェックは、7月2日に退団の宙組主演コンビ、和央ようかと花總まり、それぞれのサヨナラ特別番組を取りあげてみましょう。 この2人が宙組主演コンビとなったのは2000年6〜7月の全国ツアー公演『うたかたの恋』『GLORIOUS!!』でした。それから丸6年、ゴールデンコンビと言うにふさわしい実績と人気を誇ります。また花總は入団4年目の’94年、雪組で一路真輝の相手役となってから主演を重ねて12年ですから、これは歴史的な記録。そんな大型コンビの退団ですから、この特別番組も見応え十分。とても全部は紹介できませんが、ちょっとだけ紹介しましょう。 まずは、和央ようかサヨナラ特別番組「NEVER SAY GOODBYE 和央ようか」から。内容は大きく3つに分かれ、最初は宝塚大劇場公演千秋楽の一日。朝の楽屋入りから、舞台の様子とサヨナラショー、退団挨拶、夜の花の道でのパレードまで、貴重な映像がたっぷりです。和央自身のコメントに実感がこもります。続いて和央の今日までの足跡を舞台映像と本人トークで。引き続き退団公演『NEVER SAY GOODBYE』のメイキング。制作発表記者会見の模様からCD録音風景など、さらに東京公演に向けての稽古風景、サヨナラショー稽古、そして東京宝塚劇場公演初日の模様まで詳細にルポされています。締め括りは和央の肉声で、相手役の花總について、今後のこと、ファンへのメッセージ。
見どころはやはり大劇場千秋楽の一日、とくにサヨナラショーから退団挨拶まででしょう。楽屋入りは、和央いわく「いつも通り」の格好、黒パンツに斜め掛けカバン姿で登場。唯一退団者らしかったのが、退団者の色・白のトレーナーですが、これも前にコミカルな目玉と口の模様がプリントされたもの。ファンや組の仲間とお揃いです。このさりげなさが和央スタイルなんですね。団扇を振りながら迎える中に同時退団の相手役、花總まりの姿も見えます。自分も退団するのに和央への見送りの方が大切といった風情に、よきコンビぶりがうかがえます。 千秋楽舞台の熱演が続き、フィナーレとなります。シンプルな黒燕尾。「あの何も飾りのない黒燕尾で踊りたかったので…胸元に白いコサージュがついていて、サヨナラっぽいなと毎日思ってた(笑)。私的にはいつも通りにさせていただいたつもり。シンプルな衣装に振りもシンプルで、幸せな場面でした」。白いドレスの花總とデュエットダンスし、花總が後ろ向きに大階段を登っていったあとソロで一踊り。ひときわ印象的な場面です。 パレードは総スパンコールの白い衣装に白い羽根。「スパンコールだけどいつもほど光らない上品な光り方で、デザインも素敵で、衣装合わせのとき唯一サヨナラなんだと思った」とか。今まで着たパレードの衣装の中で「いちばん好きかもしれない」と語ります。 いよいよ、サヨナラショーです。“Yoka Wao”の電飾の前、和央がいきなり『W-WING』のテーマ曲“WING”を歌い始めると、客席にざわめきが走ります。ナレーションによると客席が総立ちになったそうですが、無理もありません。この『W-WING』は、忘れもしない昨年12月の21日、舞台上の事故で和央が負傷し、以降中止になった公演。私の記憶にある限り、この件についてほとんど語ってこなかった和央が、口を開きます。 「やったー!(うれしそう)…大劇場でああいうノリってないと思うんで、すごくうれしかったですね。…チケットを買ってくださってたのに見られなかった方に、ちょっとだけでも見ていただきたいという思いと、見てくださった方にも、自分のためにも…12月21日から、時は流れてはいるんですけど、ある意味どこか止まっているのを、もう一度動かしかった…あの日と今をつなげたかったんで、うれしかったですね。喜んでくださったお客さまの気持ちと、私自身の気持ちがホントに同じだったんじゃなかったかな」
続いては宙組全員と“ミレニアム・チャレンジャー!”を軽快に歌い踊ります。「“WING”ではじめて“ミレニアム・チャレンジャー!”に行くんだって、自分で決めてたの。いちばん最近の“WING”をやって、お披露目の、今から始まるぞ! っていう“ミレニアム・チャレンジャー!”につなげたいなって思って。まぁ最後なんですけど、今から始まるぞ! みたいなのを…。歌うだけでなくて(当時と)まったく同じ扮装をみんなにしてもらって、再現したかったので、組のみんなを舞台稽古で見たときにうれしかったですね」 “されど夢”(『鳳凰伝』)を歌い上げ、タキシードで『カステル・ミラージュ』の同名曲、『カステル・ミラージュ』の“レオナードの幻想”の群舞。『ファントム』の世界へ移り、衣装も顔の傷も公演時と同じに再現して”僕の悲劇を聞いてくれ”。マスクをつけ花總と“You are music”をデュエット。白燕尾で白のドレスの花總と『レヴュー伝説』の“GIGI”をデュエットダンス。最後は客席のペンライトと宙組全員の眼差しの中、”愛の星”を温かく歌います。 早変わりにつぐ早変わりだったでしょう。ほとんど公演時と同じ衣裳で名場面を再現した和央のサヨナラショー。全部をじっくり見たくなりましたが、7月2日には東京宝塚劇場千秋楽の模様がフィナーレからサヨナラショー、退団挨拶まで生中継されました。次回の番組チェックで詳しくお伝えしましょう。
いよいよ大階段を降りる時になりました。「ずっとそう思っていた」という黒燕尾での登場です。組からと同期からの花束贈呈。束ねていない白バラがたくさん贈られます。組からは宙組全員からという主旨で数人が登場。今回特別出演した専科の立ともみ、磯野千尋も加わっています。最後は同期で組長の美郷真也から。熱い握手に万感の想いがこもります。そして挨拶。一礼し「あぁー」とはじめた和央。満ち足りた表情が印象的です。大劇場に立つことは二度とないという感慨、スタッフ、専科からの出演者、立と磯野、同期の組長・美郷、そして宙組の仲間たちへ「大切な仲間です」と感謝を述べたあと、「私にとって最高の相手役です」と花總に言及。その瞬間の花總の感極まった表情が印象的です。「私は心からファンの皆さまを愛してます! ありがとうございました!」とファンへの感謝を述べ、挨拶は終わりました。 別れの曲は”すみれの花咲くころ”。和央が前奏を歌い出し花總が加わり、”すみれの花咲くころ〜”と全員が加わり、退団者は銀橋へ。本舞台に戻り、一礼して幕となりました。 何回ものアンコール。客席はスタンディングオベーション。「とても幸せです。ありがとう!」。晴れ晴れとした顔の和央のそばに、ニコニコ顔の花總。舞台と客席を見渡し、手を振り続けます。花總の「感無量です」という発言に和央が笑い声を立てます。「とりあえず今日までを目指してがんばってきました。これからはまた東京でがんばりたいと思います。本当にありがとうございました」。幕はまた上がります。客席を見渡す和央。客席からの「ありがとう」に「こちらこそありがとう」。和央は手を振り続けます。
終演後の記者会見。「桜の咲く入団した春の公演でやめたいと思っていた。東京は新緑の季節で、寒い時にやめるのはいやだったので、今が私のベストシーズンだと思って(退団を)決めました」と笑わせます。 紋付き袴姿で宙組の仲間に見送られ劇場をあとに。花の道では、紫のライトを降り続けるファンの前で、なんと“NEVER SAY GOODBYE”の1フレーズを歌い出しました。「私の姿が見えない人にも声を届けたい」…和央らしいやさしい思いやりです。 続いて映像をたくさん交えながら、和央の舞台の足跡をたどるコーナーです。これまでの印象に残る作品として和央がまっ先に上げたのが『二人だけの戦場』と『大上海』。両方ともバウ公演ですが、'94年の『二人だけの戦場』は花總と初共演した作品、'95年の『大上海』はバウ初主演作品で「あのメロディは今でもしょっちゅう私の鼻歌になってます(笑)」。「あの辺ぐらいから、私の今の男役スタイルの元ができた。それまではもっと男役は! とか、セリフを分かっていただくために大きい声でしゃべろうとか、そういうのだけだったんですけど、ふつうにしゃべっていいんだとか。あそこからたぶん今の私の元ができた」。和央流ナチュラルな男役スタイルの原点だったのですね。
主演男役になって以降では、「全部です」と断りつつ挙げたのが『カステル・ミラージュ』、『ファントム』。みんなで作りあげた『W-WING』の楽しさ、壮大なナンバーを大劇場で歌えて気持ちがよかった『鳳凰伝』、『炎にくちづけを』。そして「生だった」『BOXMAN』。「あまりに自然なやりとりで、ちょっと気を抜くとタイミングを逃しちゃう。だからいつも必死。セリフをちゃんと覚えてなかったんですよ(笑)。人のセリフを聞いて、自分のセリフを思い出すというかしゃべる感じで…。ちゃんとは頭に入ってなくて全公演やりました。おかしすぎて笑いがこらえられないんですよね…。楽しかったけど、つらかった(笑)」。そのほかショーなどたくさんの舞台映像が紹介されています。 『NEVER SAY GOODBYE』のメイキングから東京初日の模様までのコーナーのあと、最後に名相手役・花總について。「最高の相手役。いつも本気で来る人。いつも新鮮でいてくれて、私も新鮮でいられた」…そうなんですよね。花總っていつも本気ですね、舞台をずっと観ていて私も感じていました。 その花總のサヨナラ特別番組「タカラヅカの花よ、永遠に…」に行きましょう。スカーレット、エリザベート、カルメン、マリー・アントワネット、トゥーランドット、ジャンヌ・ダルクなど古今東西のヒロインを演じ、清楚、可憐から妖艶まで、コスチュームものから等身大の現代女性まで、守備範囲の広さは他の追随を許しません。その花總が代表作の舞台映像をたっぷり見せながら、タカラヅカ生活を振り返ります。
しかし和央が言っていた通り、この人は常に一本気で本気。役にまっすぐに向かい、その集中度は並はずれたものがありました。あんがい不器用なのかもしれません。歩く姿、走る姿に、私はそれを感じていました。「どの公演も毎回同じように悩んで、どうしようと思いながらやっていた」とは本人の言葉。そうだな、だから常に新鮮だったのだな、今回、いろいろな映像を見てみて、改めて感じました。 下級生時代の印象に残る作品、役として、「星組配属後の『紫禁城の落日』東京公演、はじめてセリフをもらった『白夜伝説』など、どの公演もよく覚えていますが」と断りを入れた上で、花總が挙げたのが『二人だけの戦場』でした。この作品は和央も挙げていますが、花總が一路真輝の相手役として初ヒロインを演じたバウ作品で、和央とは兄妹役で初共演。「大好きな作品でよく振り返る、思い出深い作品」と語ります。「星組から雪組に組替えになって、よく知らない人たちの中にポツンと入った、その緊張感、固さ、周りになじめていないところが、ライラという娘の役柄にあっていた、ナチュラルな演技と評価されたが、そんな意識はなく、ただ必死に一生懸命だった」と自己分析します。改めて映像を見てみると、この時の花總は切り立ての花のようなフレッシュさ。この公演はバウのあと、少し間をおいて東京と名古屋で公演されましたが、そこで花總が感じたのが再演の難しさ。組の仲間ともだいぶうち解け、最初の孤独感が薄れていて、そこで再演するのはとても大変だったと話します。
再演の難しさは『エリザベート』でも実は感じていたと言います。雪組の初演時、誰も知らない状態でみんなで苦労して必死に作り上げ大成功した舞台だけに、数年後宙組で再演するときは、「自分の中で勝手にプレッシャーを作ってしまったのかなと思うんですが、同じ役をやって初演のイメージを落としたらどうしよう…苦労した分(初演が)身体にしみついていて、初演のことは忘れて一からやらなきゃと思ってもいろいろ覚えていて、苦しい思いのまま終わりました。初演のまま取っておきたいというのがありましたね」。『エリザベート』のエリザベートといえば花總の代表作で代表役。それに苦い思いをもっていたとは、意外でした。これも、常に前へ前へ、高く高くと、突き進む役者魂ゆえでしょうか。 雪組時代、好きだったのは『仮面のロマネスク』のメルトゥユ侯爵夫人。「今までにない役」と本人が語っているように腹に一物ある大人の女性の役で、今映像を見ると、本当に美しい。下級生時代のまっすぐさが、成熟した美しさに変わり、役の幅を広げました。 宙組、姿月あさとの相手役時代は『エリザベート』に関しては前述の通り。カルメンを演じた『激情』では、自分の資質と違う肉感的で動物的な女性の役に苦心し、「こういうふうにやりたいけど、こういうふうにしか出来ないということを実感した」と言います。
そして和央との主演コンビ時代となります。お披露目は全国ツアーの『うたかたの恋』。マリー・ヴェッツェラを演じます。大好きな作品でうれしかったけど、とても若い役で、どうしよう!? と思ったとか。「でも一生懸命やるしかない」と語りますが、映像では本当に初々しい! 心残りは大劇場でやれなかったこと(幕開きを大階段でやりたかった)ですが、「でもやれてよかった」と笑います。 とくに印象に残った役は? という問いに「全部ですよね。毎回毎回、とにかく挑戦だったし、お芝居でもショーでもいろんな場面、いろんな役をいただいて。でもこの6年間は私にとってホントにすばらしい6年間。今までタカラヅカに居てよかったなと思える6年間でした」。 ショーの映像もたっぷり流れます。とくに和央&花總コンビの名物だったデュエットダンスが6年分全部登場。これは見逃せません。全国ツアー『風と共に去りぬ』、『ホテル・ステラマリス』、『レヴュー伝説』、『炎にくちづけを』、そして最後の『NEVER SAY GOODBYE』…「和央さんが演じるジョルジュにただ恋して終わる作品でなく、自分の心の奥深いところからやりとりができる役だったので、最後にこういう役ができてすごくよかったと思える作品です」。 「とにかくいつも通りにやろう、無事に終えなきゃ、集中して何も考えずにやろう! とやった」大劇場公演の千秋楽。ソロで歌った『ファントム』“HOME”などサヨナラショーのあとは、紋付き袴で大階段を降り、花束贈呈(寿に白い花を頭につけてもらい、同期としては月組の北嶋麻実が来た)を受け、挨拶です。紹介しましょう。 「もう二度と立つことのないこの大劇場。今、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。タカラヅカに入っていろんな人に出会い、いろんなことを感じ、いいこともわるいことも本当にたくさんありました。でもこんな私でも応援してくださる方がいる。そう思うといつでもがんばってくることができました。そして何よりも、何よりも、私が今日までタカラヅカに居られたのは、どんなときでも和央さんが私の手を引っぱってきてくれたからです(客席から拍手)。そしてファンの方が、いつも私に優しく温かくしてくださったからです。私にとって、いつもそれが本当にうれしかったです」 その挨拶を受け、和央が花總に対して感謝の気持ちを述べたのは、前述の通り。そのときの、涙が出そうな花總の表情にしんみり。よきコンビぶりがうかがえる麗しい一コマでした。
最後に和央について、宙組の仲間について、今後のことについて、ファンへのメッセージで番組は終わりました。 今回膨大な映像を見るにつけ、花總まりはやはりタカラヅカの歴史に残るスターだと感じました。並はずれた集中力、カリスマ性、やはりあなたはすごい! 退団後のことは語りませんでしたが、ぜひ女優としてこれからもがんばってほしいと思ったのは私だけでないはずです。 さてこの番組チェックがアップされるころにはタカラヅカを去っている和央と花總。東京宝塚劇場での最後のステージが、フィナーレからサヨナラショー、退団挨拶まで、生中継されています。次回のチェックはこれをぜひ取りあげましょう。ほかにも7月は『スカウト』、「月組 エンカレッジ コンサート」と、今年のバウ公演が早くも登場するなど、楽しみな番組が目白押し。あわせていくつか紹介できたらと思っています。お楽しみに。M・Kでした。 |
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■カウントダウン特集バックナンバー(2001年4月17日〜2001年7月1日) |
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