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![]() 寒暖の差が激しく、ときには梅雨のさきがけのような雨が降ったりと、不順な天候が続いていますが、みなさまお元気ですか? さて今回の番組チェックは、この春から始まった新番組、「TAKARAZUKA 美の旅人たち」と「舞台夢紀行」を取りあげてみましょう。生徒たちが実際にあちこちと旅をするという番組です。 まずは「TAKARAZUKA 美の旅人たち」から。これはタカラジェンヌが「美」をテーマに全国を旅する30分番組で、KBS京都テレビで4月から放送が始まったものですが、スカイ・ステージでも4月15日から放送されています。週1本ペースで初回放送があり、6月末までに11本、7月にも5本が加わる予定ですから、すごい勢いですね。今までに白羽ゆり、壮一帆、鳳稀かなめ、緒月遠麻らが出演していますが、今回は1回目に放送された白羽ゆり出演の#1「天使のしずくに出会う旅」をチェックしてみましょう。
「天使のしずく」とは真珠のこと。白羽が真珠の故郷、伊勢志摩を旅します。CGを使ったちょっと凝ったタイトルから始まったこの番組、まず映像の美しさに目を奪われました。映像がしっとりしていて空気感があり、「美」をテーマにした旅番組として期待に違わない仕上がりです。 まず立ち寄ったのは、伊勢神宮。食べ物屋が軒を連ねるおかげ横町を通り、長い参道を抜けて本殿へ。実は伊勢神宮は、白羽が2004年『スサノオ』の新人公演で演じたアマテラスオオミカミを祀っているところ。縁のある場所に来ることが出来て、白羽は感動の面持ちです。 続いて立ち寄ったのはイルカ島。遊覧船にのって島に渡り、いよいよイルカのショーです。イルカが大好きという白羽は、ショーに歓声をあげ、イルカの調教にも挑戦。イルカのアラシくんと握手しました。見どころ、いや聞きどころはイルカの声で、これがカーカーとなんとも可愛いらしいのです。私ははじめて聞きましたね。続いて登った展望台からは鳥羽湾の雄大な景色が一望の元に。 再び遊覧船にのって、ミキモト真珠島へ。今店に置いてあるほとんどの真珠は養殖真珠で、アコヤ貝に人間の手で核を入れて、約2年かけて育てたもの。真珠の大きさは核の大きさによること、色はその貝の個性により開けてみないと分からないなど、真珠について教わったあと、両手いっぱいに真珠をすくって、女王様みたいとはしゃぐ白羽でした。次は海女さんの実演。今はウェットスーツなどがほとんどで、伝統的な白い装束が見られるのはここくらいだとか。海女歴35年以上という松井さんは伝統的な白装束に海女としてのプライドと誇りを語ります。タカラジェンヌと同じ女性だけの世界でがんばる海女さんに、白羽はどこか共通点を感じ、あこがれを感じたと言います。そしてティアラなど、1907年に作られた時価数百万というアンティークの真珠ジュエリーをつけて夢見心地を味わったあとは、真珠ペンダントの手作り経験に。白羽の”羽”にちなんだデザインを元に、銀を含んだ粘土を形作っていきます。平らに広げてカッターで切り離し、不器用そうにでも真剣に形を作る白羽、できあがった羽はぽっちゃり気味でしたが、焼き上げ、ヤスリで銀色に磨き、真珠を1粒とめてチェーンをつけると、この世に1つだけの「白い羽の真珠つきペンダント」の出来上がりです。
旅の最後は、夫婦岩で有名な二見興玉神社。自然が織りなす美しい風景に感動する白羽…夫婦岩には古来、二つの岩の間から登る太陽を迎える鳥居という意味があったとか。今では、縁結びや夫婦円満を願うカップルや家族連れでにぎわう、観光スポットとなっていて、日の出を拝もうと早朝から駆けつける人々も多いようです。「娘役として美しく輝けますように」と書いた絵馬を捧げ、短い旅は終わりました。夕暮れの海岸を一人歩む白羽の美しい映像で、番組は終了です。 「舞台夢紀行」は、3月放送の『源氏物語 あさきゆめみし』(未涼亜希・桜一花)でスタートしていますが、今回は5月放送の、スペシャル版『長崎しぐれ坂』(湖月わたる)を取りあげてみましょう。これは星組公演『長崎しぐれ坂』の上演を記念して行われたタカラヅカ・スカイ・ステージ「舞台夢紀行スペシャル」長崎ツアーで長崎を訪れた湖月わたるが、作品の舞台となった唐人屋敷跡や観光スポットを案内するというものです。 90分の番組は、『長崎しぐれ坂』をはじめとしたタカラヅカ作品ゆかりの長崎の観光スポットを湖月が案内する部分(作品映像もたっぷり流れます)と、ツアー参加者向けのトークショーの模様、さらに湖月へのインタビュー部分に分かれ、後半ではトークショーが行われたハウステンボスを湖月がじっくりと案内してくれます。とても全部はご紹介できないので、印象に残ったところをかいつまんでチェックしてみましょう。
まずは舞台関連の長崎案内。『長崎しぐれ坂』関連では、物語のもっとも重要な舞台となっている唐人屋敷跡から。9400平方メートルという広い敷地で、屋敷というより一つの街のようです。たくさんの中国人が住んでいて、奉行所も手を出せなかった治外法権的な場所だったそうです。あいにくの雨の中、「『長崎しぐれ坂』ということでこんな天気もいいんじゃないでしょうか」と、湖月は傘をさしながら、当時の面影が色濃く残る中国風の、土師堂、天后堂、観音堂などを巡ります。公演前に現地を訪れ、さまざまな雰囲気を感じられて、役づくり、作品づくりの参考になったようです。 続いて訪れたのは宗福寺。作品に出てくる関羽像があるお寺で、1629年中国人たちが故郷の中国の僧侶を迎えて作り、建物は17世紀の南門形式をそのまま輸入しています。国宝の第一峰門(唐門、赤門)は、1644年中国で切り組み、唐船で輸入して組み立てたとか。続いて関帝(関羽)堂に入った湖月、作品で轟悠の伊佐次が後ろから出てくる関羽像を紹介します。舞台映像はこれをかなり忠実に再現、本物そっくりなのが分かります。本堂、国宝の大雄殿は1646年創建だそうで、これが長い年月、戦争にも原爆にも耐え、建てたときのまま残っているとは、感動的です。 タカラヅカにはほかにも長崎にちなんだ作品が多数あります。湖月は名作『花のオランダ坂』の石畳の坂を歩き、思い出の作品『猛き黄金の国』で自身が演じた後藤象二郎邸跡も訪れます。『猛き黄金の国』は専科時代の湖月が轟とはじめて共演した作品。くしくも同じ長崎を舞台にした作品で轟と再び共演するというわけです。後藤象二郎邸跡には石碑と案内板があるだけですが、『猛き黄金の国』に出てくる英国商人グラバーの邸は、グラバー園の中に現存しています。息子の倉場富三郎の彫像、グラバー氏や後藤象二郎、そしてグラバー夫人・ツルの写真。食堂などは当時の部屋が再現されています。坂本竜馬の等身大の写真の横に立ってみると、やはり湖月の方が大きいんですね。幕末の志士を隠した隠し部屋、150年前の西洋料理の再現…。グラバー氏は198cmあったそうで、彼の身長に合わせて取りつけた鏡には長身の湖月でも眉毛までしか映りません。そして、日本唯一という中国人の手による孔子廟を訪れた湖月、その中国風の色彩や造形から『花舞う長安』の玄宗皇帝を思い出します。新地中華街、稲佐山からの長崎夜景を楽しみ、1日目は終了。
翌日はハウステンボスに移動して、そこでトークショーが行われました。ハウステンボス内のホテルヨーロッパ、レンブラントホールで行われたトークショー。臨場感のある狭めの劇場でまた新たにラダメスとして生きられた『王家に捧ぐ歌−オペラ「アイーダ」より−』中日公演、’04年『ロマンチカ宝塚’04−ドルチェ・ヴィータ!−』(「稽古では、不思議なメロディーと覚えにくい歌詞。荻田先生だな! と思っていた…博多座で公演したらいろいろなことが見えてきて、楽しかった」)と2年連続で芸術祭賞を受け、授賞式に出席した感慨、相手役・檀れいの退団(「温かく見送ってあげたい」)、ロケ撮影秘話などが、湖月らしく気どりのない口調で語られます。 その中でおもしろかったのが、グラバー邸跡を訪れた感想。実際のグラバー邸はかなり広かったのですが、『猛き黄金の国』でのセットはとても狭く、そこに岩崎彌太郎の轟、後藤象二郎の湖月、グラバーの天希かおり、アーネスト・サトウの天勢いづる、さらに森央かずみらの女性たちがひしめいて大変だったこと、そして女の子たちに鼻の下を伸ばした映像が「流れないといいな」と言う湖月。でも、しっかり流れていましたね(笑)。 インタビューでは、今までの自分について「脇目も振らずよくやってきた。タカラヅカも男役も本当に好きなんだな」としみじみと語る姿が爽やかでした。男役については、大先輩の言葉に、男役というのは作りこんではじめて自然になれる、行くところまで行かないと自然の域に行かないんだよというのがあり、それを心がけていること。稽古をいっぱいして作りこんで作りこんで、出し切ってから削っていく作り方だと語ります。男役らしい男役、湖月の、役づくりの一端がうかがえるいい言葉でした。
ハウステンボスは、ヨーロッパテイストの滞在型リゾート。大村湾を望み、運河が走り、川縁にはオランダ風の家やチューリップ畑、風車など、日本ばなれした風景が広がります。クルーザーやクラシックタクシー、そして特別に馬車にまでのってたっぷりと堪能した湖月、園内最高のホテル、ホテルヨーロッパのANEX、迎賓館(ロイヤルゲストハウス)内のフレンチレストラン、エリタージュで、名誉総料理長上柿元勝さんの歓迎を受けます。地元の旬の食材を使った料理、そして好きなだけ食べられるデザート、おいしそうでしたね。 トークショーのあとは、HANABI IN ハウステンボス。ライトアップされた広場に夜空に花火が上がり、歓声をあげる湖月でした。 翌日は早起きして散歩のあと、サロンクルーザーで湾内をクルージング。風に吹かれながら、楽しそうに雄大な景色を楽しんでしました。そしてチューリップ畑。チューリップは全部でなんと100万本。見どころを提供するため、常に植え替えなどの手入れをしているそうです。 「見たこと、感じたことを組の仲間に話して、作品づくりに役立てたい。舞台を通してみなさまに夢気分をお伝えしたい」…湖月のそんな言葉で番組は終わりました。雄大な自然、エキゾチックな街並みと歴史的な遺産。長崎とハウステンボスに行ってみたくなり、そして『長崎しぐれ坂』の舞台がますます楽しみになった番組でした。 さて今回は旅の新番組を2本チェックしましたが、いかがでしたか? 次回は7月、もう夏ですね。瀬奈じゅんのお披露目公演『Ernest in Love』が始まりますが、そのプロダクション・ノートが早くも登場します。昨年の花組公演『La Esperanza』、『TAKARAZUKA 舞夢!』の東京千秋楽が見られるのもうれしいですね。また’94年のバウ作品『二人だけの戦場』は、当時タカラヅカの枠をこえ演劇評論家からも高い評価を得た、正塚晴彦の名作。一路真輝も轟悠も名演で、和央ようかと花總まりが兄妹になっているんですよ。ぜひ見てください。何を取りあげるか迷ってしまいますが、次回の番組チェックをお楽しみに、ごきげんよう。M・Kでした。 |
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■カウントダウン特集バックナンバー(2001年4月17日〜2001年7月1日) |
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