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![]() ![]() ゴールデン・ウィークもアッという間に終わり、新緑がまぶしい季節になりました。晴れると汗ばむほどで、外出にはサングラスに帽子か日傘が必需品。もう初夏ですね。いくらなんでもセーターは仕舞わねば、でも肌寒い日もあるし…そんなことを考えている今日この頃です。
さて今回取りあげる番組は、宙組公演『NEVER SAY GOODBYE』プロダクション・ノートと、その大劇場公演でお披露目をした第92期生の、初舞台生特集2006、そして音楽学校卒業公演となる第92期生文化祭「夢 ひとすじ」。『NEVER SAY GOODBYE』は、宙組主演コンビ、和央ようかと花總まりの退団公演。退団する人たちと、初舞台を踏む人たち…こうして宝塚歌劇は歴史を紡いできたのですね。そんな感慨がわいてきた3番組でした。 『NEVER SAY GOODBYE』は、ミュージカル『ジキルとハイド』の音楽を担当するなど世界的に第一線で活躍するフランク・ワイルドホーン氏が全編を作曲、小池修一郎が作・演出、そして作詞をしたオリジナルミュージカル。スペイン戦争を扱ったテーマ性もさることながら、やはりワイルドホーンのメロディアスな音楽が聞きどころでしょう。しかしこの音楽はなかなかの難物なようで、しかも、プログラムで小池が書いていますが、彼の音楽作りは、本来なら稽古場に毎日通い、歌い手や演出家とやりとりをしながら手を入れて、練り上げていく方法。従来のタカラヅカでの、先にできあがった音楽を稽古していく方法とは対称的な作り方で、プロダクション・ノートでは、その慣れないプロセスに苦心しつつ、ともに作り上げていく喜びを感じている出演者の様子が、克明に描かれています。
番組は、制作発表記者会見の前日の'05年12月1日、記者会見で披露する主題歌 "NEVER SAY GOODBYE" を、ワイルドホーンのピアノで稽古する和央の姿から始まります。譜面を見ながら歌う和央、注文する小池、反応を見るワイルドホーン…「半音上げたところはどうか」と言うワイルドホーンに「気持ちよかったです」と和央。ほとんど初見のはずなのに、感情がキチンとのっている歌唱はさすがです。 そして翌日の記者会見。ワイルドホーンが弾くピアノに合わせて和央が主題歌を歌い、それにかぶせて和央、花總、小池、ワイルドホーンの挨拶が続きます。なお和央と花總は挨拶で「(この公演で)宝塚歌劇団を卒業させていただきます」と退団を表明。退団会見をしていない2人の、退団発表の肉声でした。それにしてもピアノと対話するように歌う和央の楽しそうな表情が印象的で、歌い終わったあとの「曲の力で言葉が出てくるような不思議な気分にさせていただいて、最高に幸せです」というコメントが納得できました。 その後は稽古の様子がつづられますが、圧巻はやはり歌稽古でしょう。2月11日の稽古場。ワイルドホーンの弾くピアノに合わせながら、歌い、ダメ出しを受け、真剣にメモを取り、また歌う和央と花總…。かなり高い音域も要求されているのに、表情は晴れやかです。
続いて3月1日の振付稽古で、島崎徹振付の戦場場面。和央を中心に、大和悠河ら男役たちが銃を持って戦う場面で、銃の扱い、手の動き、フォーメーション、島崎独特のダイナミックな群舞ができあがっていきます。そして同日の芝居の稽古。第2幕の冒頭、二役ペギーの花總がエンリケ・凪七瑠海と語り、サン・ジョルディの祭りの場に。アギラール・遼河はるひが登場して粛清を宣言し、立ち上がるヴィンセント・大和たち…。振りがついたばかりの戦場の場面まで、芝居の稽古が続きます。 3月13日は、初舞台生のラインダンスお披露目。胸にゼッケンをつけ黒ずくめの初舞台生たちが元気よく脚を上げると、上級生たちの席からは拍手と歓声が上がります。フィナーレ稽古も初舞台生には難しそう。持ち物の角度、ラインの揃え方…指導の羽山紀代美がカウントをとる拍子のなか稽古が続きます。それに比べ上級生たちのフィナーレ稽古はスムーズですね。カウントを確認しつつ進みますが、和央が持ち物がわりに持っていたのは丸めた楽譜でした。いつもながら花總は集中した表情です。 そして3月19日は芝居の通し稽古。ハリウッド、ココナッツ・グローヴに乗り込んだキャサリン・花總とジョルジュ・和央の出会いから、バルセロナ、サン・ジョルディの祭り、戦場、ジョルジュの死までのハイライトが流れます。闘牛士ヴィンセントの大和、敵役アギラール・遼河、女優エレン・紫城るいほかの熱演も楽しめます。 最後は公演初日、3月24日のフィナーレ映像。和央が主題歌 "NEVER SAY GOODBYE" を歌い上げ銀橋へ。全員のラインナップで終わりました。持ち物は赤いバラで、和央が衣装も羽根も白、花總が赤で羽根が白、大和は黒で羽根が白、ほかの人は赤と黒という色彩設計が見事です。
プロダクション・ノートでも初々しい稽古ぶりを見せていた第92期生48名が、宙組公演で初舞台を踏むまでを詳しく追ったのが、初舞台生特集2006です。 番組はまず、3月24日初日の口上から始まります。今日からすべて成績順ということで、初日は成績1番から3番の、百千糸、真瀬はるか、美春あやかが、紋付きに緑の袴姿で登場。さすがに上がっているようで、上気した声が可愛らしく、しかし、しっかりと口上を述べます。 続いて04年3月30日、宝塚音楽学校の合格発表から、4月19日の入学式の映像に。小林公平校長の挨拶によると、この期は90周年記念年の入学とか。90周年はついこの間のような気がしていましたが、その年の合格者が初舞台を踏むとは、月日のたつのは早いものです。そして予科時代の04年5月と、翌年5月本科時代の、2つのすみれ売り風景。1年で見違えるようにしっかりしてきた表情に、その間の鍛錬、努力がうかがます。文化祭、卒業式とが終わり、いよいよ入団。プロの舞台人としての出発です。
番組はこのあと、ラインダンスの稽古風景を中心に、振付・指導の御織ゆみ乃のコメントをはさみながら続きます。初舞台生の出番は年によりいろいろですが、今年はオーソドックスに口上とラインダンス、そしてフィナーレ。そのうちハイライトはなんといってもラインダンスで、稽古がいちばん大変なのもラインダンスです。今年のラインダンス曲は”私たちはカマラーダ”。『NEVER SAY GOODBYE』にちなみスパニッシュのロケットで、御織によると「少しシャープでダイナミック」なロケット。フォーメーションも多彩で、アクロバティックな動きもあり、なかなか難しそうです。しかし御織も言うように、最大の関門は「とにかく脚上げ」。1回通すごとに30回以上上げるそうで、その稽古を約1か月続けるのですから、体力も気力も根性もなければ、これはクリアできません。 しかし初稽古、上級生たちへの稽古場お披露目、通し稽古と、稽古を見つづけていくうちに、最初はどことなくぼんやりしていた表情がみるみるうち引き締まり、動きもシャープになり、乱れていたラインも揃い出し、脚も同じ高さに揃って上がるようになり、何より笑顔が輝きはじめ、1か月間の稽古、鍛錬の意義がつくづく納得できました。 入団した生徒たちにまず要求されるのは、一糸乱れぬアンサンブルです。それを学ぶにはラインダンスほど適正な訓練はないのですね。ひたすら脚を上げ、横一線のラインを揃える彼女たちを見ていると、それが実感として迫ってきました。 「かなり厳しい稽古をしてしまいました。プロは、どんなにしんどいときでも舞台をつとめなくてはいけない。それを知ってほしかったから、あえて大丈夫? とは言わなかった」という御織。ラインダンスの厳しい稽古には、舞台人としての心構えを身につけるという意味もあるのですね。 「お披露目の少し前からやっとこちらと通じる糸ができた感じがして、これなら初日までに何とかなるかなって気がしました。それまではほんとうに初日が開くかな、どこまでいけるか、実はほんとうに不安でした」と、しんみりと語る御織。しかし見違えるようにシャープな初日のラインダンスは、スペイン風の赤いドレスに白い手袋も映え、見事でした。 最後にレポートするのは、その92期生の文化祭を見せる「夢 ひとすじ」です。文化祭は音楽学校の最終仕上げの公演で、初舞台前の発展途上の彼女らの姿が見られます。今年は2月18日と19日に、それぞれ12時と16時の2回、計4公演が行われました。
文化祭は主旨として、生徒と父兄のもの。でもファンとしては、未来のスターを見つけるためにも、ぜひ見てみたいもの。しかしなかなか見られない公演として、昔から有名でした。それがテレビで見られるのですから、スカイ・ステージってありがたいですね。なおさらありがたいのは、今回の番組は、稽古場風景、メイキングつきなのです。制服のジャージ姿(女役志望者はスカート、男役志望者はパンツ)で礼儀正しく挨拶する様子からして、いかにも音楽学校生。その初々しさが可愛らしいのです。 内容は3部に分かれています。第1部はお稽古発表といった趣で、日本舞踊、予科生コーラス、琴・三味線・ピアノ、クラシック・ヴォーカル、ポピュラー・ヴォーカル(宝塚主題歌メドレー)。構成・演出は三木章雄。第2部は演劇で、作・演出は正塚晴彦。演技指導は渡辺奈津子(元星組の紫苑ゆう)。ある舞台のオーディションに集まった若い俳優たちの練習姿と、その作品、中世ヨーロッパを舞台にした悲恋ものの物語が交差するという、群像劇です。12時公演と16時公演の役替わりで上演。第3部はダンス・コンサートで、プロローグ、モダン・ダンス、バレエ、タップ、ジャズ・ダンス、フィナーレのジャズ・ダンス。構成は羽山紀代美・三木章雄。演出は三木章雄。 出演する彼女らは、まだ本名の音楽学校生。学内発表会ですから、ここでは誰がどうしたといった感想は差し控えたいと思います。実際の放送を見て、自分の目で、いろいろ発見してください。ただ2時間の番組を見ているうちに、最初は見分けがつかなかった彼女たちの個性がしだいに見えてきて、歌なりダンスなりの得意技、演技者としての持ち味が浮かび上がってくるのが興味深かったですね。それからタップ "Sing Sing Sing" は圧巻でした。インタビューなどでよく、タップは音楽学校時代が最高だった、と聞きますが、なるほどと納得の出来でした。 さて次回の番組チェックは、どうしましょう。5月の話題は宙組と月組で連続上演された『THE LAST PARTY』の、'04年の初演が早くも登場すること。今年東京で再演された作品で、主演の宙組・大和悠河と月組・大空祐飛は同じですが、相手役が再演ではチェンジしてましたね。初演では宙組・彩乃かなみ、月組・紫城るいです。今年2月のバウ公演『想夫恋』の登場も特筆ものですし、80年代の『ジュエリー・メルヘン』、『ミル星人パピーの冒険』、『真紅なる海に祈りを』といった作品も楽しみです。大地真央の”サヨナラ”メモリアルも見られるんですよ。では次回まで、お楽しみに。さようなら。M・Kでした。 |
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■カウントダウン特集バックナンバー(2001年4月17日〜2001年7月1日) |
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