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![]() ![]() 開花は早かったのに、寒の戻りで満開まで時間がかかり、長持ちした今年の桜。しかし散りはじめるとアッという間でしたね。気がつくとすっかり葉桜で、つつじも咲き、もう新緑の季節です。お久しぶりですが、お元気ですか? MKです。 さて今年、宝塚歌劇団は90周年。そこで今回の番組チェックは、「宝塚歌劇90周年記念式典」の生放送スペシャル、そして「宝塚歌劇80周年記念式典」、宝塚アーカイブス「記念式典」を取りあげてみましょう。
まずは「宝塚歌劇90周年記念式典」の生放送から。前回の番組チェックからずいぶん間が空いたのは、実はこれを待っていたんです! 4月1日に宝塚大劇場で行われた記念式典の模様が、なんと生中継されたのですね。式典の出演者は、東京宝塚劇場の花組公演出演者以外の全生徒。つまり専科の春日野八千代、松本悠里、轟悠と、春野寿美礼、ふづき美世をはじめとした花組生以外の、約400名が出演しているのですから、タカラヅカファンならぜひとも生で見たい公演ですが、何せ1回きり。それを自宅で、しかもオンタイムで見られるのですから、スカイ・ステージありがとう!という企画ですね。 定刻の午後3時、テレビの前で待っていると、「ただ今より、宝塚歌劇90周年記念式典“すみれ花 歳月(とし)を重ねて”第一部を、指揮吉崎憲治により開演いたします」とアナウンスが流れ、吉崎氏が一礼。「祝舞」が始まります。幕が開くと大階段から花道にかけて、生徒がずらり。黒紋付きに緑の袴の正装で“宝塚、宝塚、我が宝塚〜”と、「団歌」を歌います。最前列には主演男役が並び、宙組・和央ようか、星組・湖月わたる、雪組・朝海ひかる、月組・彩輝直の順でアップが映ります。そういえば彩輝は、主演男役として大劇場初登場ですよね。荘厳な大コーラスのあとは「清く正しく美しく」。フォーメーションが変わり、宙組・花總まりがせり上がって、ソロで“清く、正しく、美しく〜”と歌い上げます。左右の分割セリ上の雪組・舞風りら、月組・映美くららが花總に唱和。コーラスも入り、専科のベテランを中心に一踊り。白扇が鮮やかです。このときの専科のお姉さまたちは袴でなく、同じ緑ですが着流しふうのもので、銀の帯。ちょっとめずらしい格好でした。幕が下り、「祝舞」は終了。
その後、劇場では来賓の挨拶などが続いていたようですが、カメラはスタジオに。ゲストに、元花組トップスターの大浦みずきさん、歌舞伎俳優の市川笑也さん、ザ・コンボイ・ショーなどで活躍しているダンサーの舘形比呂一さんを迎え、フリーアナウンサー竹下典子さんの司会で、トークが展開されました。まずは式典の映像を見ての感想で、「鳥肌が立った」、「壮観だった」と、一同感激の面もち。 植田紳爾理事長のビデオメッセージをはさみ、タカラヅカについてのトークが続きます。「タカラヅカとの出会いは?」という質問に対する答がおもしろかったですね。笑也さんは「男が見るものじゃないと思っていたが、見たら棒で頭を殴られたような衝撃を受け、ひと月に3〜4回見ていた時期もあった」とか。舘形さんは「麻実れいさんの退団後初リサイタルにダンサーとして参加して、バウホールの舞台に立った」と言います。そのとき現役時代の大浦さんとデュエットを踊る機会があり、男子禁制の劇団稽古場で「緊張して」稽古をしたという経験があるそう。大浦さんは、祖父が第1回公演「ドンブラコ」を見ていて、父の作家・阪田寛夫さんもファンで、大浦さんもファンになり入団。「90年のDNA……祖父、父、私と続く阪田家の歴史がタカラヅカとシンクロする」と語ります。
次は主演男役のビデオメッセージ、その1。轟、春野、彩輝がそれぞれ1分くらいずつ話します。 スタジオでは、視聴者からの質問を中心に、トークが続きます。「振付はもうしないのですか?」との問いに大浦さん、「退団公演で振付をして懲りまして(笑)……まだまだ振付を受ける方がいいようです」。「黒燕尾の着こなしのコツは?」には「アステアとかの姿を映画で見て、イメージトレーニングしました」とか。「美しさの秘訣は?」と問われ、「化粧をすることです」と笑わせた笑也さんは、女形の姿勢を実際に身体を動かして伝授。舘形さんの初観劇は大浦さん主演の「キス・ミー,ケイト」で、舞台稽古で激しいダンスナンバーのあと、大浦さんが「ハア〜」と言ったの見て、「男っぽい」と感動しそうです。「スーパー歌舞伎のお手本は宝塚」と言う笑也さん、たとえば舞台転換に幕前芝居の手法を使っているそう。大階段の降り方、男役と女形の手の使い方など、興味深い話がたっぷりでした。
続いては約10分、コンパクトにまとめた「宝塚歌劇90年の歩み」。劇場で映したものをテレビでも流したのですが、1914年の第1回公演以前、1910年京阪神急行電鉄(阪急電鉄の前身)宝塚線の開通から始まった映像は、貴重なものばかり。 再びスタジオに戻り、楽しいおしゃべりが続くうちに、そろそろ「祝典歌」の時間に。今回の「祝典歌」は、自作『隼別王子の反乱』、『新源氏物語』などが舞台化されるなど、宝塚歌劇と縁が深い作家の田辺聖子さんが作詩した「百年への道 虹のカレンダー」。スタジオでは、番組あてに田辺さんから送られたメッセージが、竹下さんによって朗読されます。「宝塚讃歌。……“タカラヅカ”に私は讃歌を捧げます」から始まり、「“宝塚”は、永遠の、この世の華です」と終わる、田辺さんのタカラヅカへの愛がこもった文章でした。
そこで少しスケジュールが遅れているのでしょうか、まだ準備中というコメントが入り、大浦さんが海外公演の思い出を語っているうちに、いよいよ「祝典歌」が始まりました。まず舞台袖に司会役の星組・檀れいが登場。楽曲の紹介と、「祝典歌」のあとの高円宮妃殿下の退場を告げます。作詞の田辺さん、作曲の南安雄さんが客席で挨拶したあと、佐々田愛一郎指揮で序奏が始まり、幕が開きます。ずらりと揃った生徒たちは、今度はとりどりの着物に袴姿。舞台がパッと華やぎ、祝典ムードが高まります。最前列には、東京公演中の花組を除いた各組の主演コンビ、そして専科の初風緑と樹里咲穂が並びます。左右には二人ずつ歌手が並んでおり、上手が安蘭けいと彩乃かなみ、下手が貴城けいと紫城るいです。「祝典歌」は大曲で、和央、彩輝、朝海、湖月のソロと朗詠をはさみながら10分以上続きます。田辺さんらしいやさしくロマンティックな言葉が新鮮で、耳に心地よく響きました。 スタジオに戻り、ゲストが感激を語ります。大浦さんは入団時の60周年、70周年、75周年と3回も記念式典を経験していて、「初舞台の60周年では階段のてっぺんにいたのが、75周年には同期の剣幸と二人、最前列の中央に並んだのが感動的だった」。 ここで主演男役のビデオメッセージ、その2で、朝海、湖月、和央が登場。そして視聴者からのメール、ファックス紹介に続いて、ゲストの今後の予定、本日の感想で、予定時刻を15分ほどこえて、4時半近くに番組は終了。「タカラヅカのいちばんの魅力は?」という問いに、大浦さんの答えた「夢の世界ですね」という言葉に実感がこもっていました。
さてスカイ・ステージでは、この90周年記念式典に関連して、10年前の94年9月9日、同じ宝塚大劇場で行われた「80周年記念式典」の映像も放送しています。今度はそちらをチェックしてみましょう。 この「80周年記念式典」のサブタイトルは「夢を描いて華やかに」。番組では式典でも司会をつとめた当時の星組主演娘役・白城あやかが進行役として登場。宝塚歌劇団及び宝塚音楽学校生全員による「記念讃歌・夢を描いて華やかに」、春日野八千代、松本悠里を中心とした「祝舞・八重襲」(やえがさね)、歌劇団生徒全員による「宝塚讃歌・この道は明日に続く」の模様が流れます。 「記念讃歌・夢を描いて華やかに」は、作詞・小林公平、作曲・吉崎憲治の、10分以上の大曲。宝塚歌劇団80年の歩みをつづります。全員緑の袴に黒紋付きの正装で、大階段から花道まで並んだ姿はやはり圧倒的な迫力。当時の各組(宙組創設以前で4組)主演男役、花組・安寿ミラ、月組・天海祐希、雪組・一路真輝、星組・紫苑ゆうのソロをはさみながら、大合唱がテンポよく続きます。最前列は、主演男役をまん中に左右に主演娘役(花組・森奈みはる、星組・白城、月組・麻乃佳世、雪組・花總まり)、準主演男役(花組・真矢みき、月組・久世星佳、雪組・高嶺ふぶき、星組・麻路さき)。ソロを高らかに歌いアップ映像が流れる娘役は、懐かしいですね、雪組の名歌手・朱未知留。『エリザベート』の初代ゾフィーだった人です。花道には歌手の選抜メンバーが並び、大階段から本舞台、花道まで、カメラが追います。現在活躍のスターの下級生時代の顔があちこちに見られます。
いったん幕が締まり、再び開くと「祝舞・八重襲」。80周年を祝って創作された祝舞で、振付は花柳寿楽。金屏風の前で、すみれ模様の着物の春日野と松本が舞い、荘重な歌が流れます。歌っているのは花道の選抜メンバーですが、ソロは誰だろうと思っていたら、真織由季、香寿たつきのアップが映りました。 最後は宝塚讃歌「この道は明日に続く」。「80」と大書された幕前にまず主演男役が、天海、一路、安寿、そしてこのとき退団公演中だった紫苑の順で登場し、「この道は〜」と歌い上げます。中央から幕が開くと生徒全員が、今度は色鮮やかなとりどりの着物と袴姿で並び、「宝塚行進曲」などの名曲で構成された大合唱に。各組主演コンビ、轟悠を含めた準主演男役が歌いつぎ、当時NHKで連続ドラマ『ぴあの』に出演中だった純名里沙が、朱、妃宮玲子、星野瞳のトリオを従え美声を披露します。最後に出雲綾が歌い上げると、階段状に「80」の文字が浮かび上がり、幕となりました。この文字は各自が持っていた楽譜のページを色変わりで開いて見せるという単純な仕掛けですが、これがなかなか効果的でしたね。
そしてこの番組には最後におまけが付いていて、式典の第3部として特別上演された星組のショー『ラ・カンタータ!』が放送されたのです。先述した通り紫苑ゆうの退団公演作品で、『カサノヴァ・夢のかたみ』と一緒に上演されたこのショー、見どころは数々ありますが、個人的には断然「テンプテーション」。この間宙組で上演された『テンプテーション!』の由来となった名場面で、紫苑、白城、夏美ようの大人の色気がたっぷり楽しめます。 最後に取りあげたいのが、「90周年記念式典」にちなんで放送された、宝塚アーカイブス「記念式典」。1954年(昭和54年)の創立40周年から始まり、10年ごとに行われた記念式典の模様が、’64年の50周年、’74年の60周年、’84年の70周年、’94年の80周年と、当時のトピックスを交えながら、映像と写真でつづられます。モノクロの写真がカラー映像に変わり、それぞれの時代のスターたちの懐かしい顔も並び、宝塚歌劇の歴史がしみじみと感じられる興味深い番組でした。とくにおもしろかったのが50周年の記念式典の様子で、白黒の映像がたっぷり紹介されているのですが、祝舞、生徒全員による記念讃歌の大合唱、ショーの上演と、今に至る式典の形式がここで確立されたことがわかります。そしてなんと最後には大劇場ロビーで大祝賀会!その様子まで映像に残っているのですよ。来賓、生徒など出席者でごった返したロビー、祝宴は夜の8時まで行われたと言いますから、のんびりしたよき時代だったのですね。
さて今回の番組チェックは「90周年記念式典生放送スペシャル」を中心にお送りしましたが、次回は現在全国ツアー中の月組の新主演男役、彩輝直を取りあげてみようと思っています。お披露目にむけた特別番組「彩輝直 新たなる飛翔」を中心に、できるだけ早くお送りしたいですね。彩輝が主演したバウ公演『エピファニー』の放送もあります。また4月は初舞台生の季節。現在大劇場で上演中の雪組公演で初舞台を踏んでいる第90期生に焦点をあてた「初舞台生2004」もレポートしましょう。顔と名前を早く覚えなきゃ……。宝塚アーカイブス「初舞台」、宝塚こだわりアラカルト「ロケット」も放送されます。ということで、次回の番組チェックも張り切っていきますよ。お楽しみに。MKでした。 |
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■カウントダウン特集バックナンバー(2001年4月17日〜2001年7月1日) |
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